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第34話 意外と初めてのデート① 待ち合わせ場所に早く着いたのは楽しみだからじゃないんだから!

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「いやー、中間テスト乗り切れた」


金曜日の昼過ぎの帰り道、大きく伸びをした。

雨続きの季節、見上げれば相変わらずの曇り模様だけど、私には青空に見えるね!

なんせ今回は赤点もないだろうしさ、たぶん。


「勉強教えてくれてありがとうね」


並んで歩く前の席の友達。

今回も学年上位をキープしているだろう秀才が、小さくピースをしてる。


「今度なにか奢るよ、考えておいて」


テストの度に夜な夜なわからないところを聞いているから、ちょっと申し訳ないんだ。

向こうも慣れてきたみたいで、教え方が上達していたりするからさらに。

どれだけ頼りにしてるんだろ私は。


「それなら明日さ、私とさ――」


柄にもなく言葉に詰まりながら、拒否されることを怖がりながら。

私はデートに誘われた。


---------------------------


オーバーサイズスウェットを着た私は、時計の鐘が九つ鳴っている駅前広場で友達を待っていた。

今までも休みの日に何度も遊んではきたけど、はっきりデートと言われたのは初めてなんだよと語りかける。

相手は遠くを見つめるポーズをとる岡山のシンボルである桃太郎像。

ちょっとだけメイクに時間をかけてしまったことは、地元の著名人である彼にも秘密だ。


「しかもだいぶ早く来るとか」


楽しみにしてたみたいで自分が少しはずい。

バスが遅延したらどうしようとか、ついつい不安になってしまったんだ。

まあでも良いことだよね、お世話になったお返しなのに遅刻とかありえないしと、バッテリー持ちが悪くなってきたスマホを見ながら少し悩む。


「え?」


ちょっと向こうに春物のブラウスとロングスカート姿の女性がいた。

もとから長身なのにヒールを履いていて、男性と並んでも見劣りしなさそうだ。

品のある20代女性のようないでたちだけど、ああ、あいつだ。


「お、おはよ」

「え、ええ、おはよう」


午前九時。

待ち合わせの三十分前。

桃太郎と犬猿雉の銅像の横。

お互いどれだけ楽しみにしてたんだよの二人は出会った。

雲一つない休日の空の下、ちょっとだけ気合を入れたおしゃれを、お互いにして。


-②へ続く-

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