第32話 空から見守るストーカー
「へぇー、あんたってそんな趣味あったんだ」
前の席の友達の麺棒を使った意外な趣味に私は驚いた。
あれでああするって感覚は私にはなかったよ。
うんうん、意外だけど人には言えないな。
「話したことなかったかしら。
逆に貴方は何か私に言ってないようなことある?」
あったっけ?
毎日話し過ぎていて、何を言ったか言ってないかが曖昧。
「お風呂にスピーカー持って行って歌ってるとか」
「セールで買ったやつでしょ聞いたわ」
言ってたか。
「ポテチを最近うす塩からハニーバターに浮気してる」
「部屋にたくさん置いてたじゃない」
見てたか。
「部屋のティッシュを香り付けに変えたらちょい幸せ」
「50円高いやつよね、花粉症は大変ね」
ん?この間変えてからこいつ部屋に来てないような?
「猫を庭で見つけて可愛かったのー」
「あの茶トラ美人ネコさんよね」
……おい。
「何で知ってんの!これ今朝のことよ!」
「おっと」
失敬としおらしく口を両手の指先で押さえる友達。
誤魔化せてねえからな。
なんでも顔パワーでごり押せると思うなよ。
でも可愛いな。
「私の体に何か埋め込んで監視してる?」
「そんなややこしいことはしてないよ」
「シンプルなことはしてるの!?」
「おっと」
口は押えたまま、今度は空を見つめていた。
その視線は雲を遥かに突き抜け、ずっと遠くへ続いている気がした。
まさか……衛星?
-次回予告-
のど飴ください
あ、その舐めかけのでいいです




