第31話 恥ずかしい写真を見せた話
「見たい!」
前の席の友達がきらきらとした瞳で私のほうを向いてきた。
「主語と述語で話してほしいな」
こいつが見たいなんて、多分見せれないものだと思うから警戒心がうなぎ上り。
「昨日動画で子どもが出てるのが流れてきたの!」
「うん」
「だから見たい!」
付け足してくれるのは助かるけども、まだまだ足りない。
「私たちの子どもが見たいと?」
「それはまだ気が早いわ」
倫理的に?科学的に?
最近ニュースで医学が進めば女性同士でも、というのを見た気がするけれど。
「そうじゃなくて、あなたの子供のころの写真が見たいの!」
「ああなるほど」
「というわけで見せて」
そのくらいなら断る理由もなくて、スマホのフォトアプリを起動した。
これは見せれない、こっちもなんだか、これならいっか。
選んだのは小学生低学年のころ、運動会をお父さんが撮影してくれたやつ。
赤い帽子をかぶってリレー選手のアンカーとして走っている姿。
「あああああ!可愛い!」
渡した写真に感動をしたみたいで、画面と私を交互に見比べてる。
「全然違う!!」
褒めてるのかな?貶してるのかな?
「そっちのも見せてよ」
ちょっとつまらなくなった私は手を差し出し提出を求めた。
それと勝手に写真を共有して自分に送ろうとしていた友達を止める。
「あまり撮らないからこんなのしかないけど」
見せてくれたのはピアノの発表会なのかな、壇上で綺麗なドレス姿で微笑んでいる少女。
髪は今より少し短くて、緊張しているのか頬を赤らめている穢れを知らない姿。
どの角度から見ても天使、大天使。
「全然違う!!」
「言われるとカチンとくるわね、それ」
友達の口角が少し痙攣していた。
-次回予告-
変態、宇宙へ 編




