第30話 好きな人にされると嬉しいけど、普通の人にされるとドン引きするあれ
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「あ」
「ん?」
私が思わず出した声に、前の席の友達が振り向いてきた。
「ハンドクリーム切れたの?」
私の手の中で、スカッと音を立てて空気を吐き出した白いチューブ。
お気に入りの花の香りのドラコス。
「貸してあげるわよ」
「ほんと?」
ポーチから取り出すと私に手渡す前に、まずは自分の手にたっぷりと付けて塗り広げていた。
そしてポーチにしまわれるハンドクリーム。
ん?
「はい」
なぜか私のほうに差し出される手。
多めに塗られてテカテカと光っていた。
このシチュエーション漫画で読んだことあるな。
まあいいか。
「ありがと」
また馬鹿なことを考えてと思いながら、友達と手をつなぐと指を絡めてぬるぬると擦り付ける。
特に股とかは荒れやすいし塗り漏らしがあるから丹念に。
「え、いや、あの」
困っている友達を尻目に手をつないだまま確認すると、まだいまいち足りてない。
「ごめん、ハンドクリームもう少し足せる?」
私のお願いに友達は、勘弁してくださいと手を離すと、再びポーチから取り出して渡してきてくれた。
「好きにお使いください」
照れるなら、やらなければ良かったのに。
というかさ、
「あんたって肉体的接触弱いよね」
「せめてスキンシップって言って!」
変なとこでぴゅあぴゅあ出さないでほしい。
ここだけ見られたら私が悪役じゃないか。
--次回予告--
『お互いがロリだったころの写真』
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