第28話 永久機関が体の中から溢れ出す
「何してるの?」
肘をティッシュで押えている私を見た前の席の友達が、不思議そうに振り返ってきた。
ちょっと前にぶつけて瘡蓋になっていたところが気になって、授業中にカリカリしていたら取れちゃったんだ。
まだ治ってなかったようで血が滲んできたから押さえてる。
「わかるわ、むず痒いというから触ってしまうのよね」
「そうそう、さわらないのが一番いいって分ってるのにさわっちゃうよね」
ティッシュと一緒に捨てようと思っていた机の上の剥がれた瘡蓋。
赤黒いそれに友達が手を伸ばす。
「あげないよ」
「え?なんで?」
怖いからだよ。
血液をあんたに持って帰られるとか恐怖しかない。
クローンを作られるくらいなら驚かなくて、なんか人形に埋め込まれて愛でられたりしそう。
「大丈夫よ、捧げるだけだから」
「誰に!?」
あっさり予想を超えてきた友達の手から取り返し、ティッシュに包んでポケットに押し込んだ。
恐れおののいていると、なぜかまだ少し血が滲んでいる肘をじっと見られている。
「瘡蓋がとれて血がにじんで瘡蓋ができて」
「ん?」
「それがまた取れて血がにじんで瘡蓋ができて」
ぶつぶつと繰り返す友達。
「それって永久機関じゃない!」
とんでもない大発見をしたかのように、パッと表情を明るくする。
悪いのは頭かな?魂かな?
「何枚くれる?」
「だからあげな……」
「1枚1000円だすわ」
「!?」
1日1枚は採取できるから……永久機関だ。
--次回予告--
貧乳撲滅委員会 編




