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第20話 JKが私を堕とそうと口説いてくるけど変態すぎて無理

顔だけは良い前の席の友達が、私の部屋で私のあごに手をかけて、いつもより低めの声で囁きかけてくる。


「嫌いな言葉も君が言うと好きになれる」

「……」

「休みの日が嫌いなんだ、会えないから」

「……」

「前向きに生きてるつもりだけど、後悔してることが一つだけあるんだけどわかる?」

「……」

「はずれだよ。

 高校で知り合うまでの15年間、君と別々に生きてきたことだよ」

「……」

「いつだって見つめてるよ」

「……」

「大学にいったらさ、一緒に住みたいな。

 私の声で君を起こしたい」

「……」


じーっと、薄く微笑んだ顔を至近距離で見る。

切れ長の一重の瞳には逆さまの私が写り、桜色の唇は少しだけ口角が上がっていた。

これに見つめられて堕ちない人っているのかな?

いたわ、私だ。


顎に添えられていた手をぺっとはたく。


「全然響かない」


自慢のメロイ言葉みたいだけど、むしろ"すん"ってなる。

最近反応が冷たいから夢中にさせてやると始まったよくわからないゲーム。

日頃の行いが悪いと説得力がないってのほんとみたいだね。

あと今日は土曜で休日でしょうが、しょっちゅう遊びに来るでしょうが。


「この顔と声とセリフでときめかないとか、女の趣味悪くないかしら?」

「それだけのプラスを台無しにして有り余る積み重ねよ。

 胸に手を当てて思い出せ、大量にあるだろ」


さっきも私が鼻をかんだティッシュをこっそりゴミ箱から取り出したの見てるからな。

後で回収するからな。


「こっいからも聞きたいんだけど」

「なにかしら?」


イケ顔イケボイスをまだキープしてる友達。


「最後のは本気?

 一緒に住みたいって」


私からの質問に、それが崩れた。


「え、うん、楽しそうだなって」


髪をぼさぼさって掻いて机に頬杖を突く。

友達を不快にさせないくらいの浅いため息をついて、不安にさせないくらい短めに悩んだ。

こいつと同棲か。


「いいよ、考えといてあげる」


そんな私の言葉に頬を染め上げ心臓を上から握りしめる反応をした。

静電気でも浴びたように毛先がふわりと舞い、眉が困ったように下がる。

漫画なら背景にハートが飛びかってそうな乙女の仕草。

さっきより今のほうが良いじゃない。


「キュンとした!これがメロイなのね!」

「しんないよ」


--次回予告--

その舌使いはやばい 編

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