第124話 そんなところ触らないで
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放課後の私の部屋。
前の席の友達が、向かい合って床に座る私の片足からソックスを脱がす。
それを自分のカバンにしまうと、足の親指と爪の間に向けて舌を伸ばした。
「舐めないでね?
あと返して」
「おっと、ついつい」
失敬失敬と、両手で私の足の裏を揉んでくるが少しくすぐったい。
あと、靴下返せ。
「じゃあ、いくわよ?」
「どんとこい!」
昨日動画で見た不健康な人は足つぼが痛い説。
なんとなく試してみることになった。
ツボを押す棒の代わりにした使い終わったリップが足裏に当てられると、グイっと押し込まれる。
んー、イタ気持ち良いという感じかな?
「ぜんぜん平気。
もっと強めにしてほしいくらい」
「こうかしら?」
さらに力が込められてちょっと痛いが多くなるけど、まだまだいい感じ。
「ここ押されるの好きかも」
刺激が程よくてはまっちゃいそう。
「何のツボ押してくれてるの?」
「性欲が増すツボよ」
「何のツボ押してくれてるの!」
友達からリップケースを取り上げる。
「気持ちよかったのよね?
とんだムッツリさんね」
「ほんとうに、ほんとうにお前は」
もっと普通のところを押してよと念を入れてから、リップを返す。
受け取った友達は、さっきは足裏の中央あたりだったけど、今度はかかとらへんをグイっとしてきた。
ん、ここもいい感じかも。
「一応確認だけど、また変なとこ押してないよね?」
「心外ね。
このツボは女性ホルモンの分泌を促して、自律神経を調整するそうよ」
今度は普通だった。
ここが痛くないなら健康ってことかな。
「副効果としてムラムラしてくるらしいわ」
「何押してんだよ!」
またリップを奪う。
「もっと!普通の!とこを!押せ!」
友達にガルルと唸る。
「仕方ないわね、ならここにするわ」
私から取り返したリップを土踏まずあたりに当ててきた。
「やる前に聞くけど、ここはどんな効果あるの?」
友達はスマホを取り出して確認をしだした。
なんで性欲関連じゃないツボは知識があやふやなんだよ。
「胃腸のツボだそうよ。
貴方は暴飲暴食しがちだし」
「う、そうだけどさ、まだ若いし平気だ……」
グイっと。
「痛ったああああああ!?
イタイ!イタイ!足の裏を貫通してない!?」
「軽く押してるだけよ」
グイっと。
「嘘!絶対血みどろになってるって」
「そんなわけないでしょ」
グイグイっと。
「もうむり、やめて!」
「普段の行いを悔いながら、健康になるまで我慢なさい」
楽しんでるだろ。
あんたいま絶対に楽しんでるだろ?
絶え間なく続く足裏の激痛から逃げようと暴れるけど、足首をがっちり掴まれていて無駄なあがき。
顔を真っ赤にして悶える私を見ながら低い笑い声をあげる友達。
「いま私はすごく満ち足りてるわ」
「こっちはストレスマックスだよ!」
「なぜこんなに胃腸が疲れてるのかしら?」
問い詰めるために止まる友達の手。
「え、えーーー、身に覚えがないです」
「正直に言わないと当社比3倍で再開するわよ?」
これは脅迫だ、助けてポリスメン。
「ご飯の後にマックのポテト買いに行ったりしました」
「ポテトのサイズは?」
「……Lです」
「反省なさい」
グググイっとな。
-次回予告-
手をつなごう
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