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第114話 異世界の扉は日常と隣合せに

【毎日更新】

評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。



プルルル


「私メリーさん。

 今、自宅の前にいるの」


前の席の友達と分かれて10分くらい。

家で冷たいお茶を飲んでたら不審な電話がかかってきた。


「かけ間違えてますよ」


それだけ言うと終話ボタンを押した。

食卓につくとグラスに入れていた麦茶をすする。

歩いて帰ってきた後はまだまだ暑いなあ、もうすぐ11月なのに。


プルルル


「私メリーさん。

 今、路地を歩いているの」

「お散歩ですか、楽しそうですね」


ガチャ


うわ、インスタの通知溜まってる。

写真や動画撮って上げるとか苦手だから、見る専なんだよね。

やったら楽しいかもしれないんだけど、私のダンスとか誰が見たいのかわからない。


プルルル


「私メリーさん。

 今、大通りに出たの」

「この時間は学校帰りの自転車多いから気をつけて」


ガチャ


立ち上がると、飲み終わったグラスを洗って拭いて、食器棚に戻す。

ついでに新しいのを取ると、冷蔵庫から氷とお茶を出してもう一杯入れた。


プルルル


「私メリーさん。

 今、貴方の家から徒歩3分の自動販売機前にいるの」

「急に具体的になったね」


ガチャ


メリーさん襲来まで3分か。

ぎりぎり着替えられるような着替えられないような。

まあ別にこのままでいいか。

ひとまず玄関の施錠確認しとこ。

うん、ちゃんと鍵はかかってるね。


プルルル


「私メリーさん。

 今……貴方の家の前にいるの」


まさに手を伸ばせば掴める場所にある玄関。

磨りガラスの向こうに何かが立ち、こちらをじっと睨んでいた。

制服を着た、長い黒髪の少女が。

きっと向こうからもこちらの姿は見えているのだろう。

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ 。


コン、コン


今度は電話ではなかった。

細く長い腕がドアを、静かにノックしてきた。

私しかいない家の中で大きく反響し、その音が前からなのか後ろからなのか、どこから聞こえて来ているかも曖昧になる。


「私メリーさん。

 今朝、自宅の鍵を忘れていたみたいなの」


メリーさんはちょっと半べそをかいていた。


「家に入れないから家族が帰るまでお邪魔させて欲しいの」


面白いからもうちょっと放っておこうかなあ。

手に持っていたこいつ用のお茶を、まあいっかと飲んだ。


「私メーリーさん。

 あの、返事してくれると嬉しいの」


立っているのも何だから玄関の段差に腰をかけた。

うーん、2杯目のお茶はいらなかったな、でも捨てるわけにもいかないし。

ラップして冷蔵庫にしまっておこっと。

立ち上がってキッチンの方へと向かった。


「私メリーさん!

 どこに行くの!?」

-次回予告-

限りなくありえない未来


挿絵(By みてみん)

評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。


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