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第113話 天才肌

【毎日更新】

評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。


一度家に帰ってから来た前の席の友達の家。

普段は直接なんだけど忘れ物しちゃってさ。


「なぜ自転車なの?」


出迎えてくれた友達が私の傍らにある愛車を見ていた。

高校は徒歩だから中学の時に使ってた年期が入ってるやつ。


「なんか一回帰るとめんどくさくてついね」


車庫の端を借りて停めさせてもらってると、まだ友達がじーっと見ている。


「私、自転車って乗れないのよね」

「珍しいね」

「中学校も徒歩だったし、親が過保護で小学校の時も嫌がってたの」

「あー、おばさん優しいもんね」


乗れないというか、乗る機会がなかったってやつか。

でもなんでもそつなくこなすこいつが苦手は面白いかも。


「せっかくだから乗ってみる?」


つい数分前まで予想もしていなかった友達が、くすりと声を出す。


「そうね、10年遅れでデビューしようかしら」


交通量の少ない路地まで移動して手渡すと、友達が恐る恐るサドルに跨った。


「これはまずどうしたらいいの?」


地面から足を離そうとしているけど、バランスが取れずふらふらとしている。


「後ろから押さえてるから、こけないようにだけ気を付けて?

 漕いだりしなくていいから、地面を蹴って前に進んでみよ」

「みんなこんなに難しいの普通にやってるの!?」


ふらふらしながら悪戦苦闘を繰り返す友達。

ほう、こうやっていじめるのは楽しいかもしれませんな。


「ちょっと、本当に持ってくれてる?

 なんかグラグラしてるんだけど」

「持ってるって」

「こんなの無理よ!!」


慌てる姿が新鮮で、やっぱり面白いわ。


-10分後-


友達が路地をぴゅーと自転車で軽やかに走る。


「乗れたわ」

「器用だな」


--------------------


「こういうのしたことある?」


自転車の練習を終えた後、部屋に入った私は友達にスマホを突き付けた。

画面にはつまんだりつまんだりする、私の好きなパズルゲームが。


「見たことはあるけどプレイしたことはないわね」


いつもなんだかダークなゲームばかりしてるもんね、そうだと思ったよ。


「ちょっと遊んでみ?」

「さっきから随分いろいろ勧めてくるわね」

「いいからいいから」


画面に映る可愛いキャラクタを摘まんだ友達がこっちを見てくる。


「これどうしたらいいの?」

「こうしたら消えるからさ」


ちょいちょいっと画面を操作。


「え?早すぎるわ。

 なにしてるのこれ?」

「で、こうやると連鎖が起きて、そのタイミングでスキルを発動して」

「……全く意味が分からないわ」



-10分後-


私のスマホの画面がビカビカとフラッシュで光り輝いている。


「ベストスコアを更新したわ」

「器用だな」


------------------------


「はあ、はあ、これは経験ないでしょ」

「自転車立ち漕ぎで家に帰ってたけどどうしたのよ」


ダッシュで家から持ってきた紙袋を友達に突き付けた。


「これは、編み物?」


袋の中には長い棒に毛糸と教本。


「ママが好きで私もやってるの、やってみよ?」

「さっきから貴方は何なのよ」


なんかさ!全部器用にこなされると悔しいの!


「かぎ編みから挑戦しようね」

「なんでカチャカチャしたら衣服ができるの」

「ほらほら、糸がからまってるって、不器用だなあ」

「指が全く追いつかないわ」


ふっふっふ、これは苦手そうだね。


-10分後-


「レース編みができたわ」

「器用だな」


それ難しくて私できないんだけど。

何だったらできないんだよ、何だったら。

自己解決能力高すぎだろ。


-次回予告-

お願い助けて


挿絵(By みてみん)

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