第110話 手荷物としてたぶん行ける
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私はふと足を止めた。
それは通学路にある町内の掲示板の前で、真新しいポスターが貼られていた。
「秋の防犯週間か」
前の席の友達がぽつりと読み上げる。
日が暮れるのが早くなったし確かにね。
「あんたも気を付けてね?」
私の心からの言葉に友達が腕を組んで悩んでいた。
「ありがとうと言いたいところだけど、どっち目線で言っているのかしら?」
それはもう加害者側、犯人側ですけども。
日本の警察は優秀って聞くし、逃げれないからはやまらないでね。
「そんなことより注意するのは貴方のほうよ。
ちっちゃいんだから、ひょいって持っていかれるわよ?」
「んなわけな……」
反論しかけた私を友達が、片腕で小脇に抱えた。
それはまさに、ひょいっと気楽に。
なん…だと…?
浮いた私の手足がブラブラと宙で遊ぶ。
え、ええ、こんな小荷物みたいに携帯できるんだ私って。
納得できずに見上げてると、友達がぷるぷるしだした。
「いや、でもこれは結構きついかも」
勝手に持ち上げたなら踏みとどまれよ!
なんだよ想定より重い的なその表情。
甘い見積もりで行動するんじゃありません。
「しばらくこのまま担いでろ。
すぐに降ろすとか許さないから」
下から睨む私に友達が冷や汗をかいていた。
-次回予告-
テストが終わった!そして始まった!
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