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第103話 幽霊よりも怖いこと

【毎日更新】

評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。


「最近はまってることあってさ」


なんとなく呟いた私の言葉に、前の席の友達が反応してくれる。


「はまってる?」

「そうそう、寝るときのことなんだけどね、暗くした後」


私の言葉に真剣な顔で身を乗り出してきた。


「それはそっち系の話かしら?

 貴方がその気なら私は歓迎するわ」

「なんで登校したての朝早くから猥談振られると思うんだよ」


窓からはまだまだ低い角度の太陽。

いや、月が昇ってからもそんな会話はしない良い子だ、私は。


「なんだ、つまらないわ」

「露骨に興味を失うのはやめてほしいな」


乗り出していた体を元に戻して伸びをしてる。


「悪かったわ、それで何にはまったの?」

「怪談を聞きながら寝落ちする」


私の言葉に指を眉間に当てて悩む友達。


「それは部屋を暗くして?」

「うん」

「怪談ってあれよね、いわゆる怖い話」

「うん」

「整理すると、部屋を暗くしてベッドに入って一人で怖い話を聞きながら寝るのがマイブームと」

「うん」


友達の眉間の溝が深くなり、指先がめり込み始めた。


「え、なんで?」

「楽しい以外に理由なくない?」

「自分を追い込んで、切羽詰まった自分にハァハァする癖(へき)なの?

 手伝うわよ?」

「んなわけあるか。

 シンプルに楽しんでるだけ、あと提案は遠慮しとく」


ようやく指を離した友達の眉間にはうっすらと爪の跡。


「寝る時くらい健やかに過ごせばいいのに。

 なぜお化けとタップダンスよ」

「理由はちゃんとあるんだよ」

「どんな?」

「ほら、寝るときって目を閉じるよね?」

「ええ」

「そうするとね、怖い話を聞いたときに頭の中でイメージできて何倍も怖いの!

 明るい部屋とかじゃこうはいかない!」

「大発見みたいに言われても困るわ」


友達が再び指先を眉間に。


「だってどうせ聞くなら、ちゃんと怖いほうがお得だし」

「そもそも怖いをプラスにとることが無いわ。

 全力でマイナスだわ」


また指を離した友達の眉間にはさっきよりくっきりとした爪の跡。


「そんなことないって、楽しいって。

 今度やってみる?」


私の提案に目を見開いた友達が身を乗り出して詰め寄ってくる。


「それは同じ布団で聞きながら寝ようってこと?」

「まあそうなるのかな?」

「貴方はいままでお泊りの時も絶対同じ布団では寝てくれなかったわ」

「当たり前でしょ、理由ないし。

 今回はほら、大きい音で流してると煩くて寝れないから、音小さくしてるんだ。

 だから近くにいないと聞けないよ」

「なるほど理由ができたと」


何度目だろ、また眉間に指をつけてる。

爪の跡がとれなくなるよ?


「でもごめん、私のベッドはシングルで狭いから寝にくいかも」

「お得情報を追加しないでほしいわ」


サービスなんてしたつもりないんだけど。

妹と寝る時も狭くてひっつかれることが多いし。

ひっつかれることが……。

布団で一晩中……。


「ごめんやっぱり今の無しで」

「なんでよ!怖くて眠れなくなる覚悟をしたとこなのに」

「肌にも健康にも悪いから健やかに寝ようね」

「”今夜は寝かせないぜ”をするつもりなのよ」

「怖くて眠れないってことだね。

 やっぱりよくないね、ちゃんと寝ようね」



-次回予告-

ドロリ濃厚


挿絵(By みてみん)



評価 or ブクマおまちしてます。

嬉しくて踊ってしまいます。


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