#48 異変と急転
「…またここだ」
ソフィアは女神の声が聞こえた所らしき場所にいた。しかし今回は前回とは違いうっすらと景色が見える。
「ここって一体…」
ソフィアがきょろきょろ辺りを見回していると声が聞こえたきた。
「勇者ソフィア」
「は、はい!」
「お呼びしてすみません。今目覚めても動けないならこちらで修行をと思いまして」
「修行…ですか?」
「はい、私がアーサーに授けた以上の力をあなたに授けないとこの世界は救われないと思いますので、あなたには今の時点で色々と教えようかと」
「私は嬉しいですけど…」
「では始めましょう」
パチンと音が鳴り響いた次の瞬間、ソフィアの前に魔族が現れた。
「急にですか!?」
もう女神の声は聞こえない。
ソフィアは腹をくくり戦おうと腰の剣に手をやろうとするも剣が無かった。
「え!?ウソ!!」
ソフィアは焦った。がすぐそこまで魔族が迫ってきている。
『ウィンドカッター』
咄嗟に風魔法を唱えるが不十分な形で現れ、魔族に当たるもダメージがあまり無くそのままダメージを受けてしまった。
「うぐぅ…!」
そのまま後ろに飛び距離を置く。
「ど、どうすれば…」
女神は何も助言しなかった。
拠点
「……!!ラ、ラング様!!ラング様ー!!」
ソフィアの様子を見ていたチマが急いでラングを呼びに行った。
寝ているソフィアはとても苦しそうにしていた。
「ソフィア!!」
ナイアとラングが部屋に入り、そのままナイアはソフィアの元に駆け寄った。
「ソフィア!ソフィア!!」
『キュア』
回復魔法をかけるも何も変わらなかった。
「一体何が?」
「さ、さぁ?何が何だか…」
「急いだ方がいいよ」
風の精霊の声が聞こえた。
「…どこにいる?」
「今、声だけを届けている。すまない、どうやら我々が思っていた以上に事態は急変しているようだ」
「どういうことだ?」
「…ロキの事は聞いたね?」
「…あぁ、聞いた」
「ニールキースは他にも色々と呼んでいるようだ」
「何をしようとしているのだ…一体」
「ここからが問題だ。恐らくソフィアは精神を捕らえられている」
「…何だと?」
「あの時、ロキの他にもいたようだね」
「じゃあそいつが…」
「今、土の精霊が調べてる」
「そいつを倒せばいいのだろうな。クロ!!」
クロがラングの元に飛んでくる。
「はい」
「話は聞いていたな?他にもいた痕跡を探してきてくれ」
「はい、すぐに!」
クロは再び飛んでいった。
「うぐ!」
ソフィアが唸った。
「ソフィア!!」
「ちっ!何にも出来ないのか…」
「…一つだけ方法はある」
「なんだ?」
「ラング達をソフィアの精神に入れることが出来る。もちろん僕だけの力だけじゃ無理だし、こっちで戦うものも必要だ」
「私が行くっす!!」
「もちろん行くよ」
チマとナイアが名乗りを上げた。
「キサ!」
「はーい」
「君も行ってほしい、クロも一緒に」
「そしたらラング様とバラガス達だけになるよ?」
「こちらはそれで大丈夫だ。そうだろう?バラガス」
「ハッ!我々が全力で戦います!」
「そういうことだ。ソフィアさんを助けてくれ」
「…わかったわ」
「じゃあラング、魔石を貸してくれないか」
「魔石を?」
「あぁ、それで僕たちの力を増幅させる。…近くにいるんでしょ?土の精霊」
「…あぁ、いるぞ」
「力を貸してほしい」
「話は聞こえていた。本当にいいのか?」
「あぁ、これしか方法は無い。もしこっちで原因を解決してもソフィアがあっちでやられてしまったらもう二度と目覚めない」
「…だな」
「じゃあ行くよ、行くのはナイア、チマ、クロ、キサでいいんだよね?クロは?」
「今呼んだ。すぐに来るはずだ」
その通り、すぐにクロは飛んできた。
「全く、ソフィアさんを救うためじゃなかったら怒ってますよ」
「帰ってきたら説教な?」
「……」
「何か言えよ!」
「はい、じゃあ本当にいくよ!!」
「うっす!」
「よろしくお願いします」
「クロ!頑張ろうね!」
「では、行ってきます」
「ハァッ!!」
次の瞬間、四人はその場に倒れた。
「え!?」
「精神はソフィアの元に行ったよ」
「…では、こちらはこちらでやらねばな」
ソフィアを救うために二手に別れた一行。
時間は限られている。
「バラガス!!急ぐぞ!!まずはソフィアさんが戦っていた所だ!!」
「御意!」




