#45 コンビ結成
「翼の形をした刃……、自分の翼から出るように…」
クロは一人で創作魔法の練習をしていた。
ラングが言っていた魔法を実践しようとイメージを作り上げている最中だった。
「……はあっ!!」
クロの翼から風の刃が出現した。しかしそれはすぐに消えてしまった。
「…これではダメですね。しばらく、というよりか自分の意思で出したり消したり出来ないと」
クロはもう一度試してみた。
しかし結果は同じでまたすぐに消えてしまった。
「どうしたらいいのでしょう…」
「刃を小さくしてみたら?」
「…キサ、見ていたのですか?」
キサが声をかけた。
「多分持ってる魔力の強さと刃の大きさが比例してないのよ」
「…それは言われなくてもわかってますよ」
クロは少し言い方にトゲがあった。
「ねぇ、クロ。私の事嫌い?」
「…嫌いというわけではありません。そうですね、気に食わないという方が正しいでしょうか」
「…私、クロに何かした?」
「いいえ?」
「じゃあ、なんで?」
「ラング様への接し方です。失礼ではありませんか?私はラング様の使い魔です、あんな接し方を見て気分が良いわけがありません」
「…そっか、ごめん」
キサは下を向いた。
「どうしました?いやに素直ですが」
「そりゃ私だって皆と仲良くしたいもの、もちろんクロとも。覚えてる?リザードマンとの戦いの時、私達だけ活躍出来ないばかりかダメージを受けただけ」
「…覚えてますよ。だからこうして新しい力を得るために練習しているのです」
「私だってラング様の力になりたい。だから提案があるんだけど」
「何ですか?」
「空を飛べる者同士で協力技をやらない?お互いに風の魔法の使い手なんだし」
「協力技…。キサとコンビで戦うという事ですか?」
「嫌だ?」
「嫌ではありませんが具体的にはどのような?」
「考えたことがあるんだけど…」
キサはクロに説明をした。
「ほぉ、それは何とも……。ただそれはやはり私の創作魔法が上手く出来るようになってから出来る事ではありませんか?」
「だからそれも協力したいの、二人で練習しましょ」
「…ラング様の為ですよね?」
「もちろん!あとあんな悔しい思いはもうごめんよ!」
「…わかりました。どうやら私達は同じ考えのようですね、やってみましょう」
「やったぁ!」
「ところでキサは風の下位魔法なら使えると言ってましたが、それだけですか?どうにもまだ何か隠してる気がするのですが」
「…バレた?」
キサはクロから目をそらした。
「何を隠してます?」
「別に隠してたわけじゃないのよ、本当は風の上位魔法も使えるはずなの」
「…はず?どういう意味ですか?」
「使える時と使えない時があるの。自分でもよくわからないんだけど…。あの時は確実に使える魔法しか言っちゃいけないと思ったからそう言ったの」
「なるほど、確かに使えると言ったのに使えなかったらどうしようもなくなりますからね」
「そういうこと。でも何でなんだろ?」
「それこそ風の精霊に聞いてみたらどうですか?」
「聞いたんだけど、精霊様もわからなかったの。資質も解放してもらったわ。それで私の頭の中では使い方はわかってるんだけど、やっぱりいつでも使えるわけではないみたいなの…」
「…それは不思議ですね。何かキサ本人も知らない秘密があるのですかね?」
「…実はピクシーじゃないとか?」
「それも否定できないんですよね…」
「何で?」
「可能性としてというだけですよ」
「そっか。まぁとりあえず練習しましょ。私も上位魔法の練習してみる」
「わかりました。では私は創作魔法の完成を急ぎます。キサ、悪いですがアドバイスをお願いできますか?」
「悪くない悪くない!むしろ嬉しい!クロが私を頼ってくれるなんて」
「…私達はコンビなのでしょう?」
「うん!!やった!コンビ!コンビコンビ!!」
キサは嬉しそうに飛び回っている。
やれやれとクロは頭を横に振ったが口元は笑っていた。




