#41 メタモルフォーゼ大作戦
その頃、拠点ではラングも加わり最後の一部屋を仕上げていた。
「あ、あの。ラング様、私達がやりますから、いいっすよ?」
「何言ってるんだ。これからここは大事な拠点になるのだから私もやって当然だろ」
「あ、ありがとうございます」
数十分後
「これで完成か?」
「はいっす!」
「よし、じゃあ部屋を決めなきゃな」
ラングは一考し
「よし、では私とクロ、キサで一部屋、ソフィアさんとナイアさん、チマで一部屋、バラガス、カフ、スタガで一部屋で一旦どうだ?」
「あの、私はいいんすけど。ソフィアさん達が何て言うか…。私コボルドですし…」
「そこも考えている。帰ってきたら聞いてみよう」
「はいっす!」
「そうそう、あとそれから…コボルド部隊はこちらへ」
「?」
とりあえず言われるがままにチマ達はラングの前に歩いた。
「ここに誰かがもし来たときの為に人間の姿に変えておこう。今のソフィアさん達みたいにキオールやステイルに行ってもらうこともあると思うしな」
「わかりました。お願いします」
チマ達は跪き目を閉じた。
ラングは杖を持ち念じ始めた。
「メタモルフォーゼ!」
チマ達四人は装備はそのままに人間の姿に変わった。
目を開け立ち上がったチマは両手、足、見える限り後ろと全身をくまなく見た。
「わぁ!本当に人間だ!」
「ステイルで色々な人間を見たからな、それを参考にさせてもらった。特に変な部分はないとは思うのだが…」
チマは10代の少女、バラガス達は20代の青年の姿になっていた。
「念のためソフィアさん達が帰ってきたらそれも聞きましょう」
クロが助言した。
「そうだな。よし、じゃあ下に降りるか」
ラング達は下の入り口近くの広い部屋に移動した。
「戻りました」
扉が開きソフィアが中に入ってきた。
ラング達は一斉にソフィアを見た。ソフィアは知らない人達がいたので思わず
「…すみません、間違えました!」
ソフィアは外に出て扉を閉めた。
「間違えちゃった…。ん?でもラングさんはいたような?」
もう一度そうっと開けた。次の瞬間、扉が一気に開いた。
「間違えてませんよ」
目の前にいたのはラングだった。
「や、やっぱりそうですよね…。あの、その方達は……、あっ!もしかして!」
「わかったっすか?」
「近所の方達がいらっしゃったんですね!」
「……アッハッハ!チマ、成功だぞ!」
「良かったっす!」
「え?チマ?…チマなの!?じゃあそちらの男性三人は…」
「その通りです」
「わかりませんでした!人間に変身出来るんですね!」
「メタモルフォーゼだろ?」
後ろからナイアが歩きながら話始めた。
「さすがによくご存じで」
「私も使えるからね。まぁ私の場合は時間で元に戻ってしまうがラングさんのメタモルフォーゼは違うのかい?」
「基本的には私が解除しない限りはこのままです。ただし大きなダメージを受けると戻ってしまう可能性があります」
「ほう、さすがだね。やっぱり魔王の魔力ってのはすごいんだね」
「これでも魔界のナンバー2ですから」
「ラングさん、色々と買ってきましたよ」
「ありがとうございます!全部でどのぐらいお金かかりました?」
「いえいえ、大したことないので大丈夫ですよ」
「いや、しかし…」
「今は仲間なんですから、そういうのは気にしないでいきましょう」
「そ、そうですか?」
「あっ!そうだ!」
突然チマが大きな声を出し、奥に行った後少し大きめの箱を持って戻ってきた。
「ラング様、ソフィアさん、この箱にお金入れませんか?」
「ここに?」
「はいっす!それをこの拠点で使うお金にしましょう。無くなったらここから取り出したりも出来ますので」
チマは箱の上の板の部分を持ち上げて外れるところを見せた。
「でもそれはいいかもね。今後色々と必要になるかもしれないからね」
ナイアは全面的に肯定した。
「共有財産って事ですかね。いいんじゃないですか?私とラングさんは基本的に一緒に旅するわけですし。そこで手に入れたお金はこの中にって」
「お二方がそう言うならそうしましょう。チマ、でかしたぞ!」
「ありがとうございます!」
「あっ、あとソフィアさん、ナイアさん、部屋の事なのですが、チマと三人の部屋でもよろしいですか?」
ラングは少し下手に出ていた。
「私は構いませんよ、休めればいいですから」
「私もそれでいいよ」
「良かったっす、断られたらどうしようかと」
「大丈夫よ、チマ、そんなことしないから」
ナイアは少しキョロキョロしている。
「ナイアさん?どうかしましたか?」
「いや、余ってる木材は無いかと…」
「あるっすよ!どのぐらいので?」
「丸太みたいなのがあるといいんだけどね」
「ちょっと待っててくださいっす!」
チマはまた奥に向かった。
「待った待った、私も行くよ」
「これっす!」
「おぉ、ちょうどいいね。これ少し切ってもいいかい?」
「え?いいっすけど…。何に使うんすか?」
「食材を切るための板が欲しいのさ。まな板ってやつだね」
「まな板……」
「ちょっと待ってな、すぐに見せてあげるから」
ナイアは唯一使える風の下位魔法を唱えた。
「ウインドブレード」
腕を振り下ろし丸太を少し集めに切った。
「よし」
「そんなもんでいいんすか?」
「そうだよ、それじゃ戻ろうか」
二人は皆がいる場所に戻った。
「ソフィア、さっき買った野菜をおくれ」
「はい、先生」
ナイアは受け取った野菜を丸太の上に乗せ
「こうやって置いて包丁で切るんだよ」
切る素振りを見せた。
「ほえー、なるほど。そうやって料理って作るんすね」
「チマ、一緒に作る?」
「いいんすか!?」
「もちろん」
「やった!」
ソフィアとチマはキッチンに入っていった。
「さてと私らは待つことにするかね。ラングさん、少し今後の話がしたいのですが」
「はい、何でしょうか」
ナイアは今の時点での考察を話すことにした。




