#36 魔王とピクシー
左側を進むラング達は途中途中にいるリザードマンを倒しながら進んでいた。
「さすがにこの辺まで来るとリザードマンがいるか」
「ですね、ですがもう着くみたいですよ」
クロが差した方向には明るく広い部屋があった。
「あそこか、ここからでは敵の規模がわからんな」
「あたしが見てきてあげよっか?」
キサがラングの目の前に現れた。
「いや、よい。キサを危険な目にあわせる事は出来ない」
「……」
キサはフフっと笑い、ラングの右肩に座った。
「キサ、牢屋はどこら辺にある?」
「部屋の左側よ」
「わかった、じゃあ部屋に入ってすぐに左側を目指そう」
「はい、フォローはお任せください」
「あぁ、頼んだ。それじゃ行くぞ!」
ラングは走り部屋に入った。キサから聞いた左側を見るとそこに牢屋は無かった。
ラングはすぐさま止まった。
「キサ!牢屋は無いぞ!」
「まさか、お前!!」
ラングとクロはキサに怒った。
「ちょ、ちょっと待って!確かにあったのよこの部屋に……何で!?」
キサは困惑した。
「ハハハハハハハハハハッ!!やはり前に入り込んでたんだな、何やら探ってるのには気付いていたぞ!!」
大きな椅子に座っているリザードマンが部屋の奥にいた。
リザードマン ザリド
リザードマンのボス 狡猾に領地を広げている。コボルドが倒されたと聞き更に広げようとしている。
「気付かれてた……。ごめんなさい!嘘をつくつもりは無かったの!」
キサはラングとクロに謝った。
「良い。実際キサからの情報がなければここにすら辿り着いていなかっただろう。こちらもすまない」
「すみませんでした」
「…ありがとう」
「さてさて仲直りは済んだかな?死ぬ前に出来て良かったねぇ」
ハハハッと笑いながらザリドは立ち上がった。
「そうだ、お前らにはお礼をしなきゃと思っていたんだ」
「お礼だと?」
「あぁそうだ。ルードを倒してくれてありがとよ。あいつさえいなければ他の奴等は雑魚同然。これで俺らの領地は更に広がるぜ」
「チマ達はどこだ!!」
「チマ?あぁ、あのコボルドの強かった奴か、あいつだけは計算外だったな」
「だからどこにいると聞いている!!」
「あいつの力は欲しいから殺さずに捕まえてるぜ?余計な3人もおまけとして一緒に牢屋に入れているよ」
キサが気付いた。
「まさか逆の部屋に牢屋を!?」
「その通り、お前もうちょっと上手く忍び込んだ方がいいぜ?俺達が気付いてないとでも思ってたのか?誘き寄せるために泳がしたのさ!」
「くっ……」
キサは心から悔しがった。
「さてじゃあお礼としてお前らをここで死なせてやろう」
ザリドの前に三十人程のリザードマンが集まった。
「ちっ、やはり多いな!やるしかないか……」
「しかし今チマ達を放っておくとあちらに行ったのは…」
「!そうか、まずい」
「あたし、行ってくる!何とか食い止めて見せるわ。こうなったのはあたしのせいだもん」
キサは高速で飛ぶ準備を始めた。
「逃がすと思っているのか!!」
ザリドの三本の指先が光る。次の瞬間ラング達の背後にリザードマン三人が現れた
「何!?」
「……瞬間移動でしょうか?」
「あいつ、あんなこと出来るのか?」
ラング達はリザードマンに挟まれる形になってしまった。




