#15 勇者の血族
ここはファンタール
人間界における一番大きな街。
いわゆる首都と呼ばれる街に一人の女性がいた。
彼女の名前はソフィア。
彼女は勇者の一族の末裔で直接力を授かった勇者アーサーには劣るが魔法も光の力も持ち合わせていた。
勇者アーサーは大魔王ニールキースを退けたあと英雄として崇められた。
ファンタールに豪邸を用意され連日様々な上納品が納められた。
アーサーの直属の子孫達はその生活が当たり前になり怠惰の一途を辿ったのち、本家は壊滅した。
ソフィアはアーサーの娘の玄孫で本家とは違い普通の生活をしていた。
幼少の頃から魔力に目覚め、同じ街区に住んでいる魔法使いから指導を受け、近所にある剣術道場では剣を学んでいた。
家は酒場を営んでおり多少貧しいながらもソフィアはしっかりと育っていった。
ソフィア、18歳。
ウェーブがかかった黒髪で笑うとクシャッとなる顔にあどけなさが残り周囲の大人達からも可愛がられていた。
ある日、ソフィアは剣術練習がてら山に山菜を採りに来ていた。
それは酒場で出す料理の材料の為だった。
「このぐらいでいいかな、採りすぎちゃうと無くなっちゃうし」
ソフィアは立っている場所の木の上から伸びる枝に止まっている鳥達が見ていたのに気付いた。
「大丈夫よ、あなた達が食べる分までは採らないから」
ソフィアはそう言って鳥に笑いかけた。
「!!」
刹那、感じたことのない強い魔力を感じた。
鳥達も異変を感じ飛び立っていった。
「何?この魔力……」
ソフィアは魔力を感じた方角を見たが、残念ながら目視できる異変は無かった。
しかし、ソフィアが感じた魔力は今まで生きてきた中で感じたことの無いほど強いものだった。
ソフィアは形容しがたい不安に襲われた。
「……早く戻って、先生に聞いてみよう!」
ソフィアはファンタールに向け、走った。




