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ぼく吸血鬼×サキュバスになる  作者: ぴよーこ
第三章 勇気と告白
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42話

「なぜだ・・・。俺は65レベだぞ・・・?それなのになぜ倒せないんだ・・・」


ハルと戦っている男はそう言った。ハルは一番初めに初心者が戦う雑魚モンスターである。そのため、同じ80レベ同士のモンスターが戦ったとして、勝つのはこのゲームの始まりから遠いところに生息するモンスターだろう。それは、ぼくが今までモンスターと戦って気づいたことだ。つまり、ハルはモンスターの中で最弱。それに苦戦している相手は自分のプライドをズタボロにされているだろう・・。(いえーい!)


 といってもハルは80レベなんだけどね。そこらへんのポチと一緒にしてもらっては困る。それに強さとは、ステータスだけに限られるわけではない。相性も関係してくる。


ハルは速さが優れているのに対し、相手は力とHPに特化していると考えられる。相手のステータスは見たことないのだけど、力強い攻撃と、ハルの攻撃を食らっても、そこまでのダメージを受けていないことから推測できた。


 相手にとって、ハルとの相性は最悪だろう。いくら力強い攻撃をしたとして、ハルは素早く回避できるので当たらない。相手もHPが高いので、ハルの攻撃を受けても平気そうにしているが、時間の問題である。

しかし、もしもこの男がパーティーを組んでいたら強いと思う。パーティーに防御力のある人がいるだけで、生存率が上がるからだ。でも、今は1人なので弱い。守るだけでは何もできないので。


 相手もこのままでは自分が勝てないことを理解したようで、

「お前がマスターか。ならお前を殺してやる!!!」

その男はぼくに襲いかかってきた。ぼくと相手の直線状にハルが現れ、止めようとするが、そのまま無視をしてぼくのほうに走ってくる。

(まじかあああ)

 ハルが優勢だったので油断していた。まさかぼくが狙われるとは思わなかった。でも・・・


突風


 相手を吹き飛ばすスキルを使うことにする。ハルの元に帰りなさい。じゃれあってなさい!!こないで!!


 ぼくの手から台風のように力強い風が敵を襲う。しかし、それを気にせず突き進もうとする相手。


「くるなあああ」

 ぼくは逃げ出すことにした。だって65レベの相手を10レベのぼくが倒せると思う?無理です!


 ぼくたち3人は鬼ごっこをするように走り回り、最終的にその男だけが捕まることで勝敗はついたのだった。



 相手を倒し(ハルが)、光の粒子となってスタート地点へ飛ばされるとき、

「お前らだけは許さねえ!絶対復讐してやるからな!ギルド戦でけりをつけてやる!!」

といって消えた。


 はぁ・・・。やってしまった・・・。ギルドに迷惑をかけたくなかったのだけど、どうやら無理らしい。


「主。なぜ勝てたのに落ち込んでいる・・・?」

ハルにはわからないみたいだね。この気持が・・・。でも大丈夫。きっとわかるときがくるよ。

「ううん。なんでもないよ?よくやったね。えらいえらい」

 ハルはぼくに首を撫でられると嬉しそうに尻尾を振った。



ぼくはギルド戦を仕掛けられることをぼくたちのギルドマスターであるレイズさんに話さなければいけない。ギルド戦のときは、「moko」のキャラを使うのではなく、「もこ」で参戦しようと思った。理由は、さきほどの戦いでこのキャラの弱さを実感したからだ。ぼくは、何もできずに見ているだけ(逃げるだけでもある)で、情けないと思った。さらに「moko」にはハルという強い使い魔がいるのだが、ギルド戦では使い魔の使用を禁止されているので自分の存在が邪魔になるだろう。禁止の理由は、生き返れない使い魔が死ぬことによってさらに復讐劇が増えるかららしい。そこのところは運営もちゃんと考えている。まあ、だから、ぼくはタイチには記憶が戻っていることを知られたくないのだけど、自分の起こした問題を何もしないで見ているだけというのはさすがに嫌なので、「もこ」で参戦することに。


 ぼくは、前回レイズさんに会ったとき、フレンド登録をしていたのでログイン状況を見ることができる。あ、レイズさんいるみたい。

いることが確認できたので、念話で先ほどの事情を説明した。


レイズさんに全ての出来事を話すと

「わかった。もこさんは悪くないよ?もちろんハルもね。俺もその場にいたら止めていただろうし」

と、優しい言葉を言ってくれた。良い人すぎる~。てぃらみすのギルマス最高!!それに、このゲームで最強クラスの人がギルド戦に参加したら、余裕で勝てるんじゃないかな?ふふっ。

しかし・・・


「ただ、俺はそのギルド戦に参加できない。すまないな・・・」

「え?そうですか・・・。何か用事でもあるんですか?」

 ギルド戦に参加しないギルマスなんているのだろうか。まあ、ぼくが勝手に起こした問題なので、あまり反対するのもよくないだろう。

「ギルド戦をすることになっても1週間準備期間があってすぐには始められないことは知っているよね?俺、1週間後には忙しくなるからログインできないんだよ」

 うぅ・・・。勝てると思った戦いがわからなくなってきた・・・。このギルド、たしか人数は9人で、ぼくの知っている限りでは、レイズさん、鈴さん、マール、タイチそれにぼく2人分だったかな?知らない人があと3人いるみたいだけど、正直人数少ないよね。


 だからといって始めから諦めるつもりもない。「もこ」のキャラを使えば、トランスで何人かは倒せると思うし、タイチとマールにも参加してもらえば、ぼくたちの連携で勝てる要素は充分にある。


 ただ、問題を起こした「moko」が、そのギルド戦にいないのはてぃらみすのみんなに怪しまれる可能性がある。そのため、ぼくが「もこ」であり「moko」でもあることを説明する必要があった。

「レイズさん。実は私、タイチさんやマールさんと一緒にギルドに参加したもこというキャラでもあるんです。記憶喪失になって、前のキャラを使用しないようにしていました」

 レイズさんに自分が記憶喪失になったことと、新しいキャラで始めた理由を説明し、レイズさんは「そんなことがあったのか。それでしばらくログインしていなかったんだな」と言ってくれた。普通のギルドなら、1か月もログインしていなかった場合ギルドマスターに除名されるんだけど、このてぃらみすではしない方針らしい。本当にいいギルドの良いメンバーに出会ったと心からそう思うのだった。


 ぼくはレイズさんとの念話を終了し、いったんログアウトをしようとしたそのとき


[漆黒のスナイパー仮面がてぃらみすにギルド戦を申し込みました。ギルド戦は1週間後に開催されますのでそれまでに準備をしてください]


ナビゲーターからいきなりメッセージが届いた。あのハルにやられた男・・・相当怒っているのだろう。まだ、キルされてから30分ぐらいしか経っていないのに、ギルド戦をすぐに申し込んでくるなんて。


ぼくは、一刻も早くギルド戦が行われることをタイチとマールに伝えるために、ゲームを終了したのだった。


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