いつもより近く
昨日突然、半月の閲覧数くらいを一日で突破して驚いております。
たくさんの人に読んで頂けて嬉しい限りです。ありがとうございます!
目を覚ますと、すぐ目の前に白い髪があった。
「……え?」
まだ少し眠気の残る頭で、状況を確認する。
俺のすぐ隣で、白雨が眠っていた。
しかも、俺の身体に寄り添うようにして、腕まで抱いている。
「し、白雨……?」
小さく呼びかけてみるが、返事はない。
穏やかな寝息を立てている。
……いつの間に隣で寝ていたんだろう。
昨日、眠るときには確かに一人だったはずだ。
少し驚きながらも、白雨の寝顔を眺める。
普段は落ち着いていて、どこか神秘的な雰囲気をまとっている白雨だけれど、眠っている姿は随分と穏やかだった。
「……ふふ」
思わず小さく笑みがこぼれる。
起こさないように気をつけながら、抱かれている腕を少し動かしてみた。
すると、白雨の腕に力がこもる。
「……ん」
白雨が小さく声を漏らし、さらに身体を寄せてきた。
「……もう少しだけ」
寝言だろうか。
そう呟いた白雨は、再び静かな寝息を立て始めた。
……困ったな。
少しだけ胸が高鳴る。
こんなに近くにいると、どうしても意識してしまう。
けれど、不思議と嫌な気持ちはなかった。
白雨の温もりが伝わってくる。
その腕に抱かれていると、自然と気持ちが落ち着いていく。
ドキドキするのに、安心する。
そんな不思議な感覚だった。
しばらくそのままでいると、白雨の瞼がゆっくりと開いた。
「……おはよう、このは」
「お、おはよう。白雨」
「ふふ。早いね」
白雨は眠たそうに目を細めながら、俺の腕を抱いたままだった。
「……白雨、いつからここに?」
「昨日の夜からだよ」
「昨日の夜?」
「うん。君の隣で眠りたくなってね」
白雨は何でもないことのように答える。
「そ、そうなんだ」
「嫌だったかい?」
白雨がこちらを見つめる。
「いや、嫌じゃないよ。ただ、朝起きたら隣にいたから驚いただけ」
「ふふ。それならよかった」
白雨は安心したように微笑み、再び俺の腕に頬を寄せた。
俺はそんな白雨の頭に、そっと手を伸ばす。
白い髪を優しく撫でると、白雨は気持ちよさそうに目を細めた。
「……ふふ。たくさん撫でておくれよ」
「……白雨が満足するまでどれだけでも」
そう答えると、白雨は嬉しそうに微笑んで目をつむった。
少し前なら、こんな状況にもっと戸惑っていたと思う。
今だって、白雨が近くにいると胸が高鳴る。
それでも、こうして一緒にいる時間が心地よいと思えるようになっていた。
白雨の温もりを感じながら、俺ももう少しだけ目を閉じることにした。
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