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プラント ~大妖の森で君と暮らす~  作者: 天鵞絨色の紫陽花
テラリア大陸編

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朝のひと時


朝日が差し込み、白雨の森に静かな朝が訪れていた。


このはは目を覚ますと、身支度を整えて居間へ向かった。


そこには、すでに白雨の姿があった。


「おはよう、白雨」


「おはよう、このは。よく眠れたかい?」


「うん。昨日はぐっすりだったよ」


「それならよかった」


白雨は微笑みながら、お茶を淹れていた。


このははその隣に座り、差し出された湯呑みを受け取る。


「ありがとう」


「どういたしまして」


二人はしばらく、朝のお茶を楽しんだ。


やがて、このはが湯呑みを置くと、白雨がふとこちらを見た。


「……ねえ、このは」


「ん?」


「昨日は……」


「昨日?」


このはは首を傾げた。


「ほら、夜に」


そう言って、白雨は自分の頭にそっと手を添えた。


「ああ……頭を撫でたこと?」


「うん」


白雨は穏やかに頷いた。


「嬉しかったよ」


「……そっか」


改めて言われると、少し気恥ずかしい。


このはは視線を湯呑みに落とした。


「別に、あれくらいならいつでもするけど」


口にしてから、このはは少しだけ顔を上げた。


白雨は、じっとこちらを見ていた。


「……本当かい?」


「え?」


「いつでも、してくれるのかい?」


どこか期待するような声だった。


このはは白雨の顔を見る。


いつも通りの穏やかな表情。


けれど、その目にはほんの少しだけ、楽しそうな色が浮かんでいた。


……もしかして、誘導された?


そう思ったものの、今さら取り消すのもおかしい。


「……まあ、俺でよければ」


白雨は嬉しそうに目を細めた。


「ふふ。ありがとう」


そう言うと、白雨は少しだけこのはのほうへ身を寄せた。


「……白雨?」


「いや、別に?」


何食わぬ顔で答える白雨。


このはは、思わず小さく息をついた。


「……撫でてほしいなら、そう言えばいいのに」


「そうだね。では……撫でてくれるかい?」


あまりにも素直に言われて、このはは一瞬だけ言葉に詰まった。


けれど、すぐに苦笑して手を伸ばす。


白い髪にそっと触れ、優しく撫でた。


白雨は目を閉じ、心地よさそうにその手を受け入れている。


「……満足?」


「うん。とても」


白雨は目を開け、柔らかく微笑んだ。


「このはに撫でてもらうのは、気分が上がるね」


「……それはよかった」


このはも、つられるように笑った。


窓の外では、朝の風が庭の草花を揺らしている。


特別なことは何もない。


ただ、朝のお茶を飲んで、少し話して、頭を撫でただけ。


それでも、白雨の嬉しそうな顔を見ていると、このはまで少し嬉しくなるのだった。

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