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プラント ~大妖の森で君と暮らす~  作者: 天鵞絨色の紫陽花
テラリア大陸編

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加速と遅延

皆様のおかげで1000PVを達成しました!

いつもありがとうございます。


刻守(クロノ)の仕事場を見せてもらった後、三人は再び塔の中を歩いていた。


「あの、刻守さん」


「はい?」


「刻守さんが実際に時間を操るところを見てみたくて……」


このはがそう言うと、刻守は足を止めた。


「なるほど」


刻守は懐中時計を取り出す。


「では、少しだけお見せしましょう」


「いいのかい?」


白雨が尋ねる。


「問題ありません。私にとって大したことではありませんから」


刻守は近くに置かれていた小さな置き時計へ手を伸ばす。


「まずは、こちらを」


ゴーン。


時計塔の鐘が鳴る。


その瞬間、置き時計の針がゆっくりと動き始めた。


「……?」


このはが時計を見る。


先ほどまで普通に進んでいた針が、まるで止まりそうなほどゆっくりになっている。


「時間の流れを遅くしています」


「これが……」


「はい」


刻守が懐中時計を閉じる。


すると、針の動きは元へ戻った。


「すごい……」


このはが時計を覗き込む。


「じゃあ、逆に速くすることも?」


「もちろん可能です」


刻守が懐中時計を開く。


再び鐘が鳴る。


今度は置き時計の針が勢いよく回り始めた。


「うわ……!」


思わずこのはが声を上げる。


「ただし」


刻守は懐中時計を閉じる。


「私が時間を操れるのは、基本的に自分自身とそのごく近辺、もしくはこうした無機物に限られます」


「生きている相手の時間を自由に早めたり遅くしたりはできないんだったよね」


白雨が尋ねる。


「ええ。そういうことです」


刻守は懐中時計をしまう。


「私の能力は非常に便利ですが、扱いを間違えれば危険ですから」


このははもう一度、先ほどの時計を見る。


「それでも十分すごいです!」


「そう言っていただけると嬉しいですね」


刻守は穏やかに微笑んだ。


「せっかくですから、もう一つお見せしましょうか」


「まだあるんですか?」


このはが驚く。


白雨は隣で小さく笑っていた。


「刻守はこういう時、意外と見せたがりだからね」


「白雨様、それは余計な一言でございます」


「ふふ」


永刻時計塔には、再び時計の針が刻む音が響いていた。

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