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プラント ~大妖の森で君と暮らす~  作者: 天鵞絨色の紫陽花
テラリア大陸編

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夜明け


常夜街の夜は、まだ終わる気配がなかった。


このはと星架は、賑やかな通りを歩いている。


「今日は随分遊びましたね」


「そうだね。闘技場に大道芸、それ以外にもいろいろ見て回ったし」


星架は満足そうに笑う。


「どうだった?常夜街は」


「楽しかったですよ。こんなにずっと夜が続く場所があるなんて、最初は驚きましたけど」


「気に入ってくれたなら何よりさ」


そう言って星架は足を止める。


「じゃあ、そろそろ帰ろうか。ちょっと眠たくなってきたんじゃない?」


「いいんですか?」


「白雨サマも待ってるだろうしね」


「……そうですね」


このはは少しだけ笑った。


そして星架の能力によって、二人の姿が常夜街から消える。


次の瞬間。


見慣れた森の中に戻ってきた。


「……帰ってきた」


「じゃあね、このはサマ」


「ありがとうございました、星架さん」


「また遊びにおいでよ」


「はい。また今度」


星架は手を振ると、再び常夜街へと戻っていった。


このははその背中を見送ってから、家の扉を開ける。


「ただいま」


返事はない。


「……白雨?」


居間へ向かうと、ソファに座っていた白雨が顔を上げた。


その隣には、青白い光を放つルミナスが飛んでいる。


「……おかえり」


白雨はいつものように微笑んだ。


けれど、このはにはどこか嬉しそうに見えた。


「ただいま、白雨」


その言葉を聞いた瞬間、白雨の表情が少しだけ柔らかくなる。


「楽しかったかい?」


「はい。すごく楽しかったです」


「そうか。それならよかった」


白雨はそう答えると、立ち上がる。


そして、このはの隣まで歩いてきた。


「……でも」


「はい?」


「ずいぶん遅かったね」


「すみません。つい楽しくて」


「謝らなくてもいいよ」


そう言いながら、白雨はこのはの手を取る。


「ただ……」


白雨は少しだけ間を置いた。


「無事帰ってきてくれて、嬉しいよ」


「……白雨」


このはが少し照れたように笑う。


白雨もまた、穏やかに笑った。


「今日はもう遅い。ゆっくり休もうか」


「そうですね」


二人が並んで歩き出す。


その後ろを、ルミナスが静かに追いかけていった。


長かった夜も、ようやく終わろうとしていた。


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