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プラント ~大妖の森で君と暮らす~  作者: 天鵞絨色の紫陽花
テラリア大陸編

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六大妖


白雨の森へ戻った翌日。


このはは新しく仕立ててもらった服を着ている。


「どうだい?その服」


白雨が草木を整えながら尋ねる。


「すごく動きやすいですよ。前より断然楽です」


「それならよかった」


白雨は満足そうに笑う。


「ツツジに頼んで正解だったね」


「そうですね。ツツジさん、本当にすごいですね」


「ふふ。そうだろう?」


「そういえば……」


このはがふと顔を上げた。


「大妖って、この大陸には何人いるんですか?」


「今は私を含めて六人だよ」


「六人……」


白雨は手を止める。


「植物の大妖である私」


「夜の大妖、星架」


「愛の大妖、ツツジ」


「海の大妖、わだつみ」


「龍の大妖、アギト」


そして、と白雨は続ける。


「時の大妖、刻守」


「遥か昔、もう1人いたんだけどね」


誰にも聞こえないような声で小さく呟く。


このはは今まで出会った大妖たちを思い浮かべる。


「白雨、星架さん、わだつみさん、アギトさん、ツツジさん……」


指を折りながら数えていく。


「刻守さんだけ、会ったことないですね」


「この大陸にいる大妖も、残すところあと一人だね」


「刻守さんって、どんな人なんですか?」


「一言で言うなら、几帳面な人かな」


「几帳面……」


「それに、とても真面目だよ」


白雨は少し考える。


「星架とは、かなり対照的だね」


「確かに、星架さんは自由な感じでしたね」


「ふふ。あの二人を一緒にすると、なかなか面白いと思うよ」


「仲は悪くないんですか?」


「悪くはないさ。皆、性格が違うだけで、全員長い付き合いだからね」


「なるほど」


このはは少し考える。


「時の大妖っていうのも気になります」


「刻守の力は、時間を早めたり遅くしたりするものだよ」


「それって、生きている人にも使えるんですか?」


「いや。基本的には自分自身や、生きていないものにしか干渉できない」


白雨はそう説明する。


「それでも、かなり特殊な力だけどね」


「住んでいる場所も特殊なんですか?」


「ああ」


白雨が庭の先へ目を向ける。


「刻守は、永刻時計塔という場所を領域にしている」


「時計塔……」


「巨大な時計がいくつも並んでいてね。あの子らしい場所だよ」


このはは興味深そうに聞いていた。


「いつか会ってみたいな」


「そう言うと思ったよ」


白雨が微笑む。


「なら、今度会いに行ってみようか」


「いいんですか?」


「ああ」


白雨はいつもの穏やかな表情で頷く。


「せっかくここまで大妖たちに会ってきたんだ。最後の一人にも、挨拶しておこうじゃないか」


「うん。楽しみだな」


新しい服の袖を揺らしながら、このはは笑った。


この大陸に存在する六人の大妖。


そのうち、まだ見ぬ最後の一人。


時を司る大妖――刻守との出会いが、少しずつ近づいていた。

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