自然体
夕方。
縁側に、このはと白雨が並んで座っていた。
庭では、風に揺れた植物が静かに葉を鳴らしている。
このははぼんやりと庭を眺めていた。
隣にいる白雨も、いつものように庭へ目を向けている。
しばらくして。
白雨が、ほんの少しだけ身体を動かした。
そして、このはの肩へ頭を預ける。
「……」
このはは少しだけ目を見開いた。
けれど、何も言わなかった。
白い髪が肩に触れる。
その重みが、不思議と心地よかった。
このはは少しだけ姿勢を直す。
白雨が寄りかかりやすいように。
白雨は目を閉じた。
そのまま、このはに身体を預けている。
風が吹く。
二人の髪が静かに揺れる。
このはは少し迷ってから、白雨の頭へ手を伸ばした。
そして、そっと髪を撫でる。
白雨の表情が、ほんの少しだけ緩んだ。
それを見て、このはも小さく笑う。
しばらくして。
白雨が少しだけ身体を寄せる。
肩が触れ合う。
このはも、そのまま離れなかった。
庭の植物が風に揺れている。
穏やかな時間が過ぎてゆく。
白雨は目を閉じたまま、このはの肩に頭を預けている。
このははそんな白雨を隣に感じながら、ゆっくりと庭を眺めていた。
言葉を交わさなくても、それで十分だった。
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