↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の蝕 - 破邪の刻印  作者: Daikon


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/12

厄介な集まり

「ぐ、ああッ!」


男の頭から血が噴き出し、傷口を必死に押さえている。今にも意識を失いそうだ。


「タケシ、お前マジで何してんだよ!? 怒りを抑えろって言ったろ!」俺は怒鳴った。


俺だって頭に血が上っていたが、冷静にならなきゃいけなかった。深呼吸だ。大丈夫、俺なら抑えられる。大きく息を吸い込み、無理やり心を静めた。


「だ、だってアイツ、俺たちを殴ろうとしてきたんだぞ、シン! なんでそんな平然としていられるんだよ!? あのクソ野郎、マジで殴りかかって——」タケシの興奮は冷めやらない。怒りのあまり言葉がうまく噛み合っていなかった。


「わかってる、わかってるから落ち着けって。ほら、深呼吸しろ」俺は奴の背中に手を当て、一緒に息を吐かせた。指示に従うとタケシの体の力は少し抜けたが、その奥でまだ怒りが渦巻いているのが伝わってきた。


「うわっ! 倒れたぞ!」タケシが指差した先で、男がアスファルトの上に崩れ落ちていた。


「シン、誰かに見られる前にトンズラするぞ!」タケシが俺の手を引っ張り、今にも走り出しそうになる。


こうなった以上、逃げるしかなかった。俺は奴に引かれるまま、しろの家に向かって走り出した。


「なあ……どうすんだよ、マジでやばいだろ俺」走りながらタケシがパニックを起こしている。


「気にすんなって。どうせろくでもない奴だ、ちょっとお仕置きされたくらいが丁度いい」俺は少しでもタケシを安心させようと、わざと軽快なトーンで言った。


だが、頭の中では思考がぐるぐると渦巻いていた。最近の奴らは、些細なことですぐブチ切れやがる。世界中がこんな傲慢な奴ばかりになったらと思うと、ゾッとした。


「タケシ、ほら落ち着け。しろの家についたぞ、もう大丈夫だ」


俺たちは巨大な門の前に立ち止まった。高さは少なくとも6メートル以上あり、俺たちを見下ろすようにそびえ立っている。


ここはしろの父親、高橋タカハシが暮らす邸宅だ。彼は日本の経済を動かすメガコングロマリット「高橋グループ」の8代目CEOである。奇妙に聞こえるかもしれないが、これほどの金持ちの家に生まれながら、しろは自分をさらに金持ちにしてくれる「お宝」を探すことに執着していた。


理由は単純だ。父親がすでに、長男の和樹カズキを9代目CEOに指名していたからだ。兄を超えたいしろは、とてつもない価値のあるものを見つけて自力で起業し、対抗しようと考えていた。まるで映画に出てくるような典型的な兄弟喧嘩だ。


まあいい、中に入ろう。好奇心が限界だった。


「聞こえますか? しろの友達の星野シンです。入ってもいいですか?」俺はインターホンのボタンを押し、中にいる警備員に声をかけた。


5秒もたたないうちに重厚な門がゆっくりと開き、息をのむような大庭園が現れた。何度も来ている場所だが、見るたびに圧倒される。まるで映画のセットに出てくる城のようだ。


「おい、ぼーっとしてないで早く行くぞ」タケシが肩を揺らし、俺を現実に戻した。


門をくぐり、屋敷へと足を進める。


「よっ、お前ら遅かったな。どうしたんだ?」


出迎えてくれたしろは、まるで王子様のような男だった。ルックス抜群、鍛え上げられた体、そして圧倒的な財力。うちのグループのアイドル的存在で、世間から見れば完璧超人だ。だが、身内である俺たちだけが、こいつがどれほど面倒くさい性格をしているかを知っていた。


「来る途中で、ちょっとしたトラブルがあってな……」タケシが鬱陶しそうに頭の後ろをかきながら呟く。


「大したことないならどうでもいいや。早く上に来てよ、見せたいものがあるんだ。カンザキユイも来てるぞ」しろが目を輝かせながら言った。


「ユイが? なんでだよ、野郎だけの集まりだと思ってたのに」タケシが退屈そうに呟く。


神崎カンザキユイは俺たちの女友達で、底抜けに明るい性格をしている。俺たち4人は同じ大学、同じクラスの仲間だった。


俺たちはしろの後を追い、2階の部屋へと向かった。相変わらずバカみたいに広い部屋だ。俺のアパートの自室が5個は余裕で入るだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。