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非正規転生 ~転生したけど最弱スキルすらもらってない~  作者: KEI
第14話 未来形ではなく、遠いということ

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(七)次に見るもの

◆ (十六)次に見るもの


夜になっても、雨は降らなかった。

ただ、雲は低いままだった。

理人は完成した仮対応表を眺めている。

未来。

遠い。


未確認。

未到達。

見えていない場所。

雨の後。

呼ばれし村。


呼ばれぬまま残る。

同じ神託の中で、いくつもの距離が重なっていた。

未来は、まだ手が届かない時間。

遠方は、まだ手が届かない場所。

未確認は、まだ手が届かない情報。


では、過去側の言い方と、今も残っているという言葉が並ぶ時は、何を示しているのか。

それは、まだ分からない。

理人は表の最後に、次に見るものを書き足した。

川の濁りの記録。

雨後の荷運び報告。


水祓いの巡回記録。

神殿から村への訪問頻度。

ギルド依頼の発生頻度。

村との交流記録。

村の古い呼び名。


セリアがそれを見た。


「明日、台帳を見ますか」

「お願いします。神殿の記録が難しければ、ギルド側からで構いません」

「神殿の台帳を見せてもらえるかは分かりませんよ」

「まず、何があるか確認します」

「それを言い出すと、また項目が増えそうですね」

「増えると思います」


リナが神託の写しをもう一度見た。


「遠い水は、まだ届いていないもの」

「おそらく」

「後なる濁りは、遠くから遅れて来るかもしれない」

「その可能性がある」

「呼ばれし村は?」


理人は少し考えた。


「まだ分からない」

「だから、見るんだね」


理人はうなずいた。


「だから、見る」


未来は、まだ来ていないもの。

理人は、そう思っていた。

だが、この世界の言葉では、未来と遠さと未到達が、同じ顔をしていることがある。

理人は紙の端を押さえた。

神託は、本当に未来を告げる予言なのかもしれない。


だが、少なくとも一つだけ分かった。

予言として待つ前に、遠いものを探すことはできる。

まだ届いていないものを確認することもできる。

意味の分からない言葉を、分からないままありがたいものとして片づける前に、次に見るべき記録を決めることはできる。

理人は表の余白へ、小さく印を置いた。


後で確認。

それはもう、保留するためだけの印ではなかった。

次に進むための印になっていた。


◆ (十七)ログ


ログ


距離表現:検出

未来解釈:未収束

過去参照:保留


注記:

到達範囲の再照合を要求。



作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/irregular-reincarnation-top/

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