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非正規転生 ~転生したけど最弱スキルすらもらってない~  作者: KEI
第13話 閉じ括弧が足りない

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(五)記録対象として保存

◆ (十三)関われること


その夜、理人は補筆前と補筆後の札の写しを見比べていた。

魔法は使えない。

魔力も流せない。

詠唱も知らない。

魔法陣の正しい描き方も、まだ分からない。


それでも、できることはあった。

古い札を外す。

湿った札を外す。

素材の違う札を分ける。

同じ型だけを並べる。


描き手を見る。

魔力を通した者を見る。

線が閉じているかを見る。

虫を見る。

煙を見る。


荷役獣を見る。

熱のように、比べられないものは判断に使わない。

そして、混ざっている問題を分ける。

腕の問題。

線の問題。


素材の問題。

湿気の問題。

使った場所。

札の向き。

それらを一つにまとめれば、何も見えない。


分ければ、少しだけ見える。

理人は、補筆後の札の写しを見た。

閉じた線。

小さな点。

たったそれだけで、煙の乱れが減った。


羽虫の避け方も弱くなった。

三番も、前ほど嫌がらなかった。

魔物除けとして本当に働くかは、まだ分からない。

それは、時間をかけて確かめる必要がある。

だが、少なくとも一つだけ言える。


魔法陣の形には、意味がある。

理人は小さく息を吐いた。


「閉じ括弧が足りなかった、みたいなものか」


その言葉は、誰にも通じない。

だが、理人にはそれが一番近かった。

開いたものは、どこかで閉じなければならない。

流れたものには、戻る先が必要になる。

魔法が使えなくても、そういう形なら見える。


理人は木片に書いた。

魔法使用――不可。

魔法陣補助――可能性あり。

そして、もう一つ書き足す。

暫定記録――提出済み。


それは、理人がこの世界に来てから初めて得た、魔法との関わり方だった。


◆ (十四)ログ


ログ


構造補正:部分成功

魔力行使:未接続


注記:

非行使個体による外形補助により、局所反応が変化。

記録対象として保存。



作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/irregular-reincarnation-top/

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