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サナの授業

サナは教師達が集まるまで、雑談代わりに特別教室の子供たちに講義まがいのことをしていた。


それは、はたから見ると少し変な光景だった。

学生たちより若い女の子が本を開いて、威風堂々と喋っているのだ。

はじめ学生たちの中にはクスクス笑う者も居たが、話を聞いていく内に表情が変わった。


それは、この学生達の水準が高いことを表していた


「魔法の発動に関して、どうして発動するのか?その動きと構成に関してということでしたね」


学生の質問は、魔法発動に関しての事だった。

今までは身体で覚えることが主であり、その教材は存在しない訳で無いがとても高価で手に入らず、研究者から聞くのも簡単ではなかった。


サナ・ククルの噂は魔法界隈では有名であり、直接聞けるチャンスは無い

しかし、姿が変わってしまっているため、その真偽も含めた質問でもあった


「術者自身の成り立ちと、エレメント、下級から上級まで、のすごく細かいプロセスが存在します。」


サナは最初こそ、本を開いて居たが、今は閉じ、読むより思い出したほうが早いと言う雰囲気を醸し出す。


「そうですね、現象と、魔力顕現の両方が存在し、それらを動かすエレメントの仕組みも必要に成ってきます。」


「現象と、魔力顕現の両方を扱うために特定のエレメントが必要と成りますが、太古の昔に人類が自然霊と契約したと言われて居て“自然霊契約”と呼ばれています。」


サナは閉じた本の背表紙を怪訝な顔で見つめて言う


「諸説有りますが、実際に契約みたいな事はして居ないとも言われていて、自然エレメントが無条件で人間の都合に合わせている感は有りますよね、現状、殆どの人が普通に使えちゃうし……」


少し乱暴に本を机の上へ軽く放った、“ぺたん”と音を立てる


「自然霊契約という美名を掲げ、その実態は自然霊の優しさに甘えている だけだと思うんだけど……まぁ、さておき」


何事もなかったように話に戻る


「今は四又は六から九大エレメントは詠唱や魔法陣で呼び出すことが可能です」


生徒たちは教科書をめくり確認し始める


「あの……六大エレメントまでしか教科書にありませんが?」


「ああ、それね、火・土・風・水・光・闇・の他に、木・草・無と言うエレメントの様なものが最新で発見されています。

ただ、重複する部分もある様ですが、自然界で何かの役割を常にしています。何の役割をしてるか知らんけど……いや、まだ、色々研究段階ですね」


「その古い教科書は近い内に書き換わりますよ、私が申請を出してます」


生徒たちはざわめく、そう言えばクララ枢機卿と対等に話していた事を皆、思い出す

“私が教える以上、今の教科書は廃棄よ”

そんな事を言っていた人はこの少女だった


「で、発動に関してエレメント達は、特定の詠唱と人間の魔力の入力を受けて、それを認識し、いわゆる“自然霊契約”と呼ばれている関係に沿って応答しそれを受け入れる。

それを、内部でエレメントが処理を行い、権限と魔素を使い人間の魔力と共鳴し、外部の状態に出力される。


魔法は自然を相手に何かを入力し、出力されると言う事が行われる

その出力された物が魔法の結果なんです。」


「因みに、この魔法発現そのものに祖霊が関わる事で祖霊魔法となり、より深く術の構成を理解することになります」


「稀に、魔法が発動しないエリアがあるのは、エレメント、魔素、人的魔力、詠唱、これらが成立しない時に魔法は封じられますが、祖霊が係る場合、その限りでは有りません。あ、祖霊魔法だからって必ず何とか出来るって訳では無いよぅ?」


そんな雑談をしている所に先程の祖霊魔法の話を聞きに後処理終えた教師たちが入ってきた。


生徒たちもそのままに質問が飛ぶ


しかし、教師達は質問が質問に成らず困惑していた。


「命樹葬生の術式はどうなっているんだ?」


「術式だけ教えても使えないし、対象によって違うかなぁ……」


「では必要な要素は?属性は?魔力量は?」


「祖霊魔法よ、その人が、まず何者なのか、有り様が祖霊と、もしくはエレメント達とどう関わるかかな?」


「術式が対象によって違うと言うのは?」


「祖霊が変えて来るのよ、創発的なもので固定された術式では無いの、だから強力なのよ……」


サナはちょっと教師達には塩対応な言い回しをしちゃったかなと反省し話を続ける

「実際の世界は全て神によって想像され続けているの。魔法は状態に干渉するようで、媒介…と状態の……そのモノの境界に干渉しているの」


中に研究者もいて、実体験を思い出したようだ


「ああ、そう言えば、レジスト魔法や、レジスト付与した魔具で防げない事が有りましたな、そう考えると本来の魔法形態と大きく違う事が想定できます」


今のところ通常のエレメント魔法と似た祖霊魔法との比較研究が行われて居るのが現状だ、その検証途中で炎系の祖霊魔法が、炎をレジスト出来る魔具を素通りして中を焼いた案件があった。


「なるほど、習得できるものでは無く、授かるものなのか……」


「でも、ちゃんとした基礎魔法は必要よ?まぁ生まれ持って居る人も居るけどね……その人は先祖から愛されてるのよ」


「その祖霊というのはエレメントなのか?」


「違うわ、先祖であって内在する神にも近いわね」


「私達の中に神は存在し、神も私達の中に存在する

ただし、同じ物と言うわけでなく、

神は世界を超越してるけど世界の中にも内在していて

限定されること無く存在するし、もっと複雑な世界に存在する

全てが静的である状態に余地が有りそれを処理するのが神よ」


もう誰も話に付いていけなくなっていた

改めてソウルラウンダーと言う職業が規格外と言うことを思い知らされる職員達であった。


「なるほど、三十路女が少女に成るのも頷ける」


「ちょっと、トゲがあるんだけどー」


サナのセリフに皆が笑う。


生徒と教師達はやっとこの少女の中身が見た目と違うことを認識したようだ


何だか属性間違えて修正しました。

金属性でなく風属性でした


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