霊廟事件後#05禁域指定と思い出の飛竜もどき
サナは話題を変えようとした。
「そう言えば、霊廟痕を塞いでいる結界だけど……あそこ、繋がってるから禁域にしてね」
クララは微妙な顔で聞き返す
「どういうことだい」
サナは平然と返す
「まぁ、強固な結界だから壊れることは無いけど、セシアン界に繋がってるよ?」
少々気の抜けたクララは言いかけて、その危険性に気づく
「はぁ?まいったね、町中にとんでも無いもんこさえたねぇ……って、危険じゃないか」
サナは落ちつき払っている
「禁域にしてれば大丈夫みたいよ、あの状態から長い年月……数千年をかけて天然ダンジョンに成るみたいね」
クララは数千年と聞いて少し安堵するが不安は拭えなかった
「セシアン界は地下になるのか」
「物理的な地下ではないけど次元的に低いところにあるわ」
「あと 今ならわかるんだけど天然ダンジョン、そこの最下層もセシアン界の可能性があるわ。確証は無いけど、祖霊達の言い分では最下層はおそらくは……」
クララは目を見開く
サナは昔の面白い話を思い出したように笑いながら言う
「ちょっと昔に飛竜もどきが出てきたじゃん、物理も魔法も通らない子、あの子 セシアン界の亀裂に巣くってた化け物に似てるのよね」
「はは、その説は迷惑をかけたねぇ……」
公式発表では、あの土地(カームズ・ウォウズと言う土地)で暴れていたのは、ただの飛竜という事に成っている…が、
真実は当時、調査騎士団が天然ダンジョンから逃げ帰ってきた時に連れて帰ってきてしまったモンスターであった
それは ドレイクの類であったが、空を少しだけ飛べる奇妙な生き物で、本当は飛竜ともドレイクとも呼べないモンスターであった
不思議なことに 全ての攻撃がほとんど効かず
近くに寄れば、黒いオーラのようなものが出ておりそれに触れると体が腐食する
そのため 通常では倒す術がなかった
元々天然ダンジョンの救援要請を受けていた カーム カルラ サナ が出くわし討伐する。
この際サナとカルラが ※命樹葬生の祖霊魔術を使う、使わないで
喧嘩をする
その地が前に出てきた宿泊施設のカームズ・レストの場所だ
※土エレメント、水エレメント、植物系祖霊魔術の3種混合の魔法で、生き埋めにして植物を急成長させ、生き埋めになった対象の養分(生命力や原動力)を奪う
芽吹き、一気に大木になるため、成長の魔術と耳触りの良い呼ばれ方をするが、実際には術者の寿命を媒体にするため禁呪の一種だと言われている。
「そうか、また調査、及び対策をせねばならんか」
クララは過去の失敗から嫌そうな顔をする。
しかも天然ダンジョンでの生還率は低い。
死亡も確認できないのである、冒険者が生還しなければしない程モンスターが強くなる報告もある、迂闊に手が出せないのが現状だ
「で、サナ、まだもう一つ、肝心な事を聞いてないよ、あなたはサナで良いのかい?」
クララは思わずサナの足先から頭まで、見てしまう
それを見てサナはセクシーなポーズして投げキッスをする
「あー、若くなった事、妬んでるぅ??」
「ガキが生意気な事すんじゃねーわ」
また、サナの頭を鷲掴みである
「あたたたた、痛い、痛いクララ優しくして—」
クララの握力でサナを懲らしめる、いつもの やり取りだったのでクララは安心したようだ
「まぁ、なんにしても、国の戦力を整えてからだねぇ」
クララはサナの頭を撫でながら、ふっと表情を緩めた。
しかし、その目だけは笑っていなかった。
サナ個人ではなく、今の彼女が国にとってどれほど大きな存在になったのか。
「どうやら王国はあなた達を手放す事は出来なくなったようね……」
そう言うとクララの手に力がこもる
「あたた、痛いってー」
「まだ、色々話を詰めなきゃいけないけど、秘密にしといて上げるよ」
サナはクララの手から逃れ頭を抱えながら言う
「まぁ色々助かる……って何処までわかってるのさぁ?」
クララはニヤニヤしながら
「身分も解ったことだし、色々整えて上げるよ、もちろん見返りに、学園の講師はして貰えるんだろうねぇ?」
「えー、どうしようかな?」
「今や、あんた達はこの国の問題を知りすぎているんだよ、お尋ね物に成りたくなかったら私に協力しな」
「今度は、脅し?ひどーい」
クララはそこで少しだけ口元を緩めた。
どうやら話は、もう忠告や確認ではなく、最初から用意していた条件へ移ったらしい。
サナもそれを察したのか、警戒するようにクララを見る。
「サナ、あんたが協力してくれるなら、この町の物件を国の補助で格安に買えるよう、国王には話を付けてあるよ。どうするんだい?」
一瞬、サナは言葉に詰まった。
想像していたより話が早く、しかも条件が良すぎる。
「うへっ、やり手ババァめ、あ、ありがとう」
クララは愉快そうに笑う。
サナはかなわないな—って感じで頭をかく
「でも、場所によるかなーいい物件空いてる?新築で建てちゃうとかー」
「本当に一言も二言も多いガキだね」




