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零界凍結 ―境界記録―  作者: 淺桜雫音
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第三部 第二話『神喰らい』

神域。

どこまでも白く広がる世界に、静かな地鳴りが響いていた。

床に浮かぶ光の紋様が、一つ、また一つと黒く染まっていく。

神域の番人・咲希は、その光景を見つめたまま呟く。

「……封印が、破られた。」

封印の崩壊

神域の中心にある巨大な結晶に、一本の亀裂が走る。

それはゆっくりと広がり、やがて結晶全体を覆い尽くした。

そして――

砕ける。

白い光が弾け、その中心から漆黒の影が姿を現す。

人の形に似ている。

しかし顔はなく、星空のような闇だけが広がっていた。

「観測不能個体……。」

咲希が息をのむ。

「《神喰らい》……。」

初めて感じる恐怖

茜音は一歩後ずさる。

「この感じ……。」

今までの敵とは違う。

敵意ですらない。

ただ、そこにいるだけで、自分という存在が薄れていくような感覚だった。

月斗の未来

月斗は能力を発動する。

《天測》

無数の未来が視界に広がる。

だが、そのすべてが途中で途切れていた。

「……見えない。」

「未来が、ここで終わってる。」

氷雨の決意

氷雨は静かに前へ出る。

もう逃げることは考えない。

「私が止める。」

その声に迷いはなかった。

神喰らい、動く

神喰らいは右手をゆっくり持ち上げる。

その瞬間、神域の一部が消えた。

爆発も破壊もない。

「そこにあった」という事実だけが消えた。

咲希が叫ぶ。

「触れてはいけない!」

「あれは存在そのものを喰らう力!」

零界凍結・蒼天

氷雨が両手を広げる。

「――零界凍結・蒼天。」

青白い光が神域を包む。

神喰らいの動きが止まる。

さらに、消えかけていた地面が少しずつ元の姿を取り戻していく。

共鳴歌

「氷雨、一人じゃない!」

茜音の歌声が神域に響く。

言葉ではなく、想いそのものが音になる。

その旋律は氷雨と月斗の力をさらに引き上げる。

天測

月斗は静かに目を閉じる。

「一つだけある。」

数え切れない未来の中に、たった一つ。

神喰らいへ届く可能性を見つける。

「氷雨!」

「右へ二歩!」

氷雨は迷わず動く。

神喰らいの一撃を紙一重でかわす。

三人の共闘

月斗が敵の動きを読む。

茜音が力を繋ぐ。

氷雨が凍結で道を作る。

三人は呼吸を合わせ、神喰らいを少しずつ追い詰めていく。

神喰らいの咆哮

神喰らいは初めて声を上げた。

その叫びだけで神域が揺れる。

白い空に黒い亀裂が広がっていく。

咲希の表情が険しくなる。

「まずい……!」

「このままじゃ神域そのものが崩壊する!」

夜城零

神域の最奥。

黒い玉座の前で夜城零は静かに戦いを見つめていた。

「……神喰らいを押し返したか。」

その目に浮かぶのは驚きではない。

期待だった。

「やはり、お前たちは。」

「世界を変える可能性を持っている。」

ラスト

神喰らいの胸に、金色の紋章が浮かび上がる。

それを見た咲希の顔色が変わる。

「そんな……。」

「あれは……神王の紋章。」

静まり返る神域。

三人は、その言葉の意味をまだ知らない。

しかし、これまでの戦いが序章に過ぎなかったことだけは理解していた。

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