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9話 メブキは死ぬとき笑っていた

センリを助けたユピタはあと一歩で脱出のところでコダマにつかまってしまう。しかし、アスナロの妹メブキの写真を見た途端、コダマは血を吹いて倒れた。このあと、ユピタたちは逃げ切れるのか。「俺」と「俺の最強」を探す冒険ファンタジー!

センリ「ユピタ! 逃げるで。ワイをはなさんといてな!」


クヌギ「そう簡単に逃がすかぁ!次元落(ビブン)!」

シュウーン なんだ?平らなビームが俺を通り抜けた。

ググググ 俺の体が、平面になった!?


クヌギ「クックック。もう一発当てて線にしてやるぜ。」


ユピタ「そうはいくか!これなら自分を帆にできる!」

ソンブ「ドアに向かえ!そっちが追い風だ!」

センリ「一緒に逃げるで!」


クヌギ「な、なにぃ!?」


ガク「先輩、いったんやめてください。組長の救護が先です!」

ホロム「ま、そゆこと」


クヌギ「くっ、わかった。一時停戦だ。」


ソンブはソンブで逃げただろう。俺たちは逃げる途中、ロボット部屋を見つけた。もともとはロボットの偵察が目的だったが、ペラペラの体では何もできないため、その場をあとにした。



電気科棟へと帰ってきた。

カチュウ「おかえり~大丈夫だった?」


ユピタ「ただいま。君は?」


カチュウ「ぼくは1年生のカチュウ。君がビブンされたって聞いて、治しに来たんだよ。次元翔(セキブン)!」

グォーーー トトトトットット  体がもとに戻っていく。どうやら機械科のアイツの逆能力らしい。


カチュウ「これでよし。ビブンされたらまたいつでも呼んで。」

ユピタ「うん。ありがとう。」

そう言ってカチュウは授業へ行ってしまった。代わりに3年生の授業が終わり、アスナロが出てきた。さっきのコダマのことを思い出した。本当に、本当にコダマはメブキにひどいことをしていたのだろうか。


ユピタ「アスナロ!ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

アスナロ「あ? 偵察で面白いもんでも見てきたか?」


ユピタ「コダマと、メブキさんのこと、教えてくれない? メブキさんがいなくなった日のこと。」

アスナロ「!てめぇ、そこは観客が踏み入れちゃいけねぇ世界だ。」


俺は真剣な眼差しでアスナロに訴えかけた。

ユピタ「頼む。さっき、メブキさんの写真でコダマが崩れるのを見たんだ。たぶん、これはこの抗争の根幹だと思う。知りたいんだ。」


アスナロ「、、、っ! ああ、いいよ。教えてやるよ。オレの、愛する妹の最期を。」


~ 半年前、メブキのヤツは、コダマの野郎に恋しちまったんだ。やるタイプのメブキは結構すぐ告りに行った。


片思いってのはそういうもんかも知れねえが、コダマの言葉に、愛はなかった。付き合い始めたのはいいものの、コダマの方はメブキの利用価値のある道具程度にしか見てねぇ。メブキは電気科の中でも人気者だったからな。


もちろんメブキもそのことはわかっていたぜ? だけどな、「いつかきっと振り向いてくれるから」って、あきらめねぇんだよ。


んなかんじで、はじめのうちはやる気満々だった。だけどな、時に反比例して気持ちは落ちてくもんだ。コダマはいつまでたってもメブキに本当の笑顔は見せねぇし、恋した日見た未来も色あせていくし、何より、ずっとアイドルだったあいつは、「人に求められない」ってことが初めてすぎてだいぶ落ち込んでた。まあ、


なんらかの事情で別れられなかったらしいんだよな、まぁメブキを不幸にしたやつはオレが許さねえけどな。そんなこんなで、あの日に至る。


それは、どす黒い雲のはざまに夕日が差す、黄昏時だった。オレは偶然、あいつらが2人でデッキで話してるのを見つけた。

メブキ「ねぇ、私たち、お似合いのカップルかな。普通の青春できてるのかな。」

コダマ「あ? 知らねぇよ! こんな、気まじぃの、お似合いなんて言えるかよ。」


メブキ「そうだ、何回目か忘れたけどさ、私のこと、好き?」

コダマ「お前がオレを追っかけてんだろ。オレはただ付き合ってやってるだけだ。」


メブキ「付き合うって色々あるんだよ?愛し合ってるのも「付き合ってる」だよ。」

コダマ「それは「好き合ってる」だろ。文字的に「付き合ってる側」は一方的に主導権握られてるから、独りよがりだろ!」


メブキ「遠い外国の方なら、結婚までの恋愛はぜんぶ「付き合ってる」なんだよ?なんで振り向いてくれないの!」


コダマ「あー!もう、うるせぇよ!おまえといると、オレの調子が狂うんだよ!頼むから、オレの頭の中から、オレの前から消えてくれよ!」


メブキ「!…ひどい、もういや!」

タッタッタッタッ

コダマ「おい!待てよ! クソッ、オレの心の主導権を握りやがって… おい待てよ!」

ダッダッダッダッ


アスナロ「おい、何してる…メブキ!」

ダッダッダッダッ


船端へと甲板を走ってゆく。メブキは速く、二人は追いつけなかった。

メブキは欄干に登り、コダマの方へ振り向いた。ほおを伝う涙に日の光がキラめいていた。


メブキは、微かに、笑った。

メブキ「どうせ好きじゃないんだから、ここから先は追いかけてくれないんでしょ?」


コダマ「待ってくれ、メブキ! 違うんだ。オレの方が独りよがりだったんだ、何もかも!」

アスナロ「早まんなよ!オヤジらになんて言うんだよ!」


メブキ「さよーなら。ごめんね、迷惑ばっかかけて。」 タンッ 海へと、飛び込んだ。


ヒューーン スカートが空気抵抗でたなびいている。 いや、ちょっと待て。下に、何かいる!


グゥヲオオオゥン ザァヴァァン でかい、この船の半分近くある、クジラだ!


クジラは水面から飛び出すと、メブキに噛みつき、海に引きずり込んだ。 ダッパァァーーン


コダマ・アスナロ『メブキーーーーーーーーーー!』

アスナロの語りの中、クジラに食べられたメブキを助けにコダマとアスナロが海へと飛び込む。二人の能力で、クジラに勝てるのか!? 次回 10話 開戦

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面白いです!立体で積分されたらどうなるのか気になります
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