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8話 授業?戦力優先だ

船上学園モフェルトンで電気科組に入ったユピタ。はじめの任務は、敵軍、機械科組の偵察であった。侵入に成功したユピタは、ともに冒険をしている仲間であるセンリを発見する。「俺」と「俺の最強」を探す冒険ファンタジー!

センリ!俺と同じように捕まってたのか。よかった、無事で。でも、どうやって助ける?

換気扇のすきまから教室をのぞく。教卓にしばりつけられているセンリを見張るように、機械科組員が3人座っている。バレずに救出するのは至難の業だぞ?


ソンブ「ユピタ、お前…どんな能力だ?」


ユピタ「ここでは使いにくいんだよね。どんな海でも航海できる能力なんだけど。」


ソンブ「それは…波を見たり、舵を取るってことか?」


ユピタ「うん。ほかにも、帆を張って風をつかむとか…」


ソンブ「それだ!ひーらめいたァ!まず、レールとスマホを用意しやす。レールを伸ばしてっと、こっそり角の机の中にスマホを入れます。」


ボゥッ ソンブの手のひらから、スマホとレールが飛びだしてきた。

グイーーーン レールが伸びていって、教室の角にある机の中へのすべり台が完成した。

ソンブはそこにスマホを乗せ、すべらせ、机の中にすっぽり隠した。

そしてレールが縮んでいき、ソンブの手の中に戻った。

いったい、何をする気なのだろうか。


ソンブ「次に、強力無音扇風機と『帆』を用意しやす。空気の循環をつくるから…ユピタ、行ってきてくれ。行き帰りの風はまかせとけ。」


ユピタ「なるほど、そういうことか。だけど、見張りをどうにかしないと。」


ソンブ「そいつは任せとけ。あのスマホに、詐欺電話をかける。」


トゥルルル トゥルルル


クヌギ「あ?なんか電話なってんな。おい1年、どっちか見に行ってこいよ。」

ガク「オッス先輩。ぼく見に行ってきます。」

ホロム「んじゃ、ヨロ。」


1年生らしい人が電話を見に向かった。


ガク「えーっと、これか。サ、サクラさんからですよ!」

ホロム「え!マジ?建築科組長の?」

クヌギ「サクラさん、ガチかわいいよな!俺もしゃべりてぇ。」


ソンブ「よし、今だ!ユピタ、行ってこい!」

ユピタ「いざ、出航!」


           …おどろくほど音がしない。が、強力な風がたしかに吹いている。監視の目が電話に向いている今がチャンス!腕につけた帆に、ふわりと風をつかみ取り、スイーーーっとセンリのもとまでたどりついた。小声でセンリが喜んでいる。


センリ「ユピタ!マジ死ぬとこやったわ。はよこの縄といてくれや。」


あらかじめもらったニッパーで縄の要所を切っていく。まだ監視には気づかれていない。


ユピタ「よし!センリ、動けるか?」


センリ「いけるで。おまえにしがみついとけばいいんやな。」


対流する空気をつかみ、センリを背負って、いざ換気扇へ。あと少し。ソンブが手をのばしている。よし、作戦成功...


ヒュゴオオオオ なんだこれは、全身に霜柱が立つような恐怖。これは、走馬灯! 超スローになった世界。俺の頭の中だけ異常な速度で人生のコマが流れ、今以前の致命的な見落としを探させる。そう。ここには、ヤツがいる! 今できる限りの速度で振り向き、現状を確認する。やっぱり、予想通りの光景。


コダマ「んな簡単に逃がすわけねぇだろうが! 機械剛腕(サイボーグアーム)!」

バキバキバキバキ  ギギギッ グァーーン


やっぱり。コダマだ! ものすごく巨大な機械の手が、ものすごい速度で俺の帆をつらぬいた。さらに機械の手が翻り、俺たちを叩き落とした。


ドガァーン

いてて、机の角に頭をぶつけた。なんて角ばった机だ。まずい、手が迫ってきた。

ガシッ グググッ

捕まった。監視たちも気づいてこちらへ向かってくる。

クヌギ「組長!すいやせん、偽電話なんかに惑わされて。」


センリ「ユピタ、こいつは速すぎる。閉鎖空間やと、わいでさえ逃げられへんかった。」


ソンブ「おい!コダマ!おめぇ1コマ目授業なんじゃなかったのかよ!」


コダマ「授業? 単位? 学位? んなくだらねえもんより、仲間だろ! てめえらに勝つ!そのためにゃ、強い!戦力になれるやつが!最優先なんだよ! おい!センリ、俺の仲間になれよ。」


センリ「すまへんな、ユピタと再会できた時点でなおさら無理やわ。ワイはユピタと一緒にクレイバに行かんとかんのや!」


コダマ「ああ、そうか、そうか、そりゃ悪かったな。じゃ、一緒にあの世に送ってやるよ。センリ、なんだかお前とは、分かり合えそうな気がしたのにな。残念だ。」


まずい、このままにぎり潰されてしまう。さっきの走馬灯の中に、なにかヒントがあるはず。なにか、なにか!

俺は無意識のうちに、ポケットからなにかを取り出し、掲げた。それは、セムカからもらったメブキさんの写真だった。


コダマ「ぐはっぁ、ぅぅぐ、ごふっ、やめろ、その写真を見ると、見るとぉ、心の底から、申し訳なさが、、がふっ」 ばたっ

コダマはその場に倒れ、機械の手はバラバラになった。今がチャンス!


クヌギ「組長!大丈夫ッスか!? おのれぇ、奴らを逃がすな!」


さっきコダマが入ってきたドアが開いている。センリのスピードであっちに逃げれば脱出できる!

機械科組長コダマを倒したユピタ。しかしまだ敵はいる。はたして機械科から脱出できるのか。次回 9話 メブキは死ぬとき笑っていた

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