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陽炎のディアストロタイム *最強をこの手に*  作者: 麓電子
3章 この世の秘密を紐解く地
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31話 違法転生した犯人はオレだ!

言葉で赤月光を反省へと追い込んだ跡武だったが、不意をつかれて歴史を変えられたしまった。間一髪、ユピタたちが助けに駆けつける! 恐ろしい探偵の断末魔とは⁉ 「最強だと思ったもの」が能力になる世界の旅。「俺」と「俺の最強」を探す冒険ファンタジー!

跡武を助け出す。探偵と赤月光を捕まえるため、全員この場所へたどり着いた。


ガーランド「バカな…この場所はズレた歴史の境界があって入れないはずだ。」

そうなのだ。俺は境界のむこうから、跡武の戦いを見ていることしかできなかった。だけど、


警部補「私の能力で方角はわかるし、」

セムカ「ウチの能力で無敵のトンネル作れるから来れちゃったの。苦戦したけどね。」


改めて見てみると、俺たちが通った道は何度も曲がりくねっている。ずっと3人の戦いをトンネルの窓から見ていることしかできなかったのだ。だが、間に合った。


跡武「科学の真実の美しさを理解できない人と分かり合える気はしません。探偵さんを倒しましょう。」

ユピタ「お前の作った間違った歴史はもう見破ったぞ!」


警察などに囲まれ、自慢の能力も封じられた探偵はおもむろに笑みを浮かべ、大笑いし出した。

ガーランド「グハッハッハ。間(・)違(・)っ(・)た(・)歴史か、かってなこと言いやがって。オレだって本当の歴史の中で楽しく生きたかったさ。本物の歴史がオレに都合よく作られていてほしかったさ! だけどな、何もかもうまく行きゃしねぇんだ。」


ユピタ「そんなの身勝手だ! 俺たちに能力が与えられているからって、他の幸せなはずだった歴史を壊すなんて!」


ガーランド「なぜ、幸せな者とそうでない者がいる? そもそもこの世界は『本物』なのか? オレみたいなのが過去にいて、『選別』をした可能性もぬぐい切れない。だからオレは、オレの大好きな『嘘』で、幸せな歴史をすべて奪ってやるんだよ!」


探偵はあくまで俺たちを相手に勝つ、または逃げ切る気だ。


ガーランド「推理します! 瞬間移動で誓いの宮に逃げた犯人はオレだ!」

シュン


逃げた! 誓いの宮ということは、やはり盗品の隠し場所はあそこだ。そして探偵はその盗品を持って逃げようとしている。


センリ「みんな行くで、ワイに捕まれ! 唯我独走(ゆいがどくそう)!」

チュン


このスピードなら近場の瞬間移動くらいには追いつける。今まさに探偵が瞬間移動し終わった瞬間に追いついた。かつてセムカが作ってくれた抜け道から、探偵が地下に逃げる! 地下の足場の体重制限は125kg。俺だけこの中で軽いから追えるはずだ。入口から滑り降り、足場に到達した。



地下では探偵が天井に絡まった糸を手繰っていた。やはり予想通り、糸状にした盗品の隠し場所は地面の裏。この前あとむが言っていたことを今なら理解できる。糸が張り付いた天井はきらびやかに光沢しており、幻想的であった。


ユピタ「おい、探偵! その盗品を返せ! そして逃げ場はない。自首しろ!」

ガーランド「ちっ、もう来やがったか。また瞬間移動で逃げてやる。」


そのとき、足場を吊るす天井がギシィとゆれた。なんと、跡武がなぜか降りてきたのだ。しかもすべり台の心地よさで寝てしまい、あとむに移っている!


ギギギ ガシャァン!

やはり、足場が崩落した。探偵は能力で逃げようとしている。あとむは眠ったまま落ちていく。俺はまぁ漫画から竜を出して飛んで脱出するか。と落ち着いて耳に挟んだペンを手に取った。


…あれ? スカッ スカッ 空を幾度も手につかんだ。ペンが、ない。…死ぬ!

ユピタ「うわぁぁぁぁぁ…!」


時空が歪み、人生のパノラマが頭の中に流れる。お馴染みの走馬灯だ。あれ? これ、誰の記憶だ?

いつもの走馬灯では、一人孤独に波乱万丈の人生を顧みる。しかし、近くにいすぎるせいか、真っ暗な空間の中にあとむがいる! そして探偵もいる! さらに言えば、3人で走馬灯を共有している! あぁ、漫画によって他人の走馬灯を見る術を会得してしまったせいか。おもしろいな。だがピンチに変わりはない。いつも通り、死の淵すれすれの絶望すべき状況!


ガーランド「うわぁぁぁぁぁ!」

思考の一部を共有している! 先ほどまで楽勝で逃げれたはずの探偵が、初めて見る『死』の淵によってパニックになっている。


ガーランド「そ、走馬灯がぁ! オレ、死ぬのかよぉ。オレの人生、まだ楽しいこと何もやってねぇ! 少しも幸せになってねぇ! …最期の賭けをしてみるか。長髪ダブルフェイス野郎、さっきは「科学の真実の美しさ」がオレにはわからねぇとほざいてたな。実は小さいころ、オレも一度だけそ(・)れ(・)を見たことがある。3000光年ほど離れた碧緑星(へきりょくせい)という星を見て、感動したんだ。それで1度は科学者になろうとした。 …推理します! 碧緑星に不法転生した犯人は、オレだ! あばよ、ユピタてめぇの顔は来世でも忘れやしねぇ。三千世界通り越しても、必ずてめぇを不幸にしてやる。」


歪んだ時の中、ものすごい勢いで辞世を語り、能力を使用した。助かる道は選べなかったが…


探偵は転生する歴史を作ったため、すでに絶命していた。はたして、転生などできるのだろうか。できたのなら、あちらでは正直者で、幸せになってほしい。


だが、俺はどうやって助かればいいんだ! そのとき、あとむが目を覚ました。く、跡武の方の人格なら能力で助けてくれるのに!


あとむ「ユピタさま、今は私と走馬灯を共有してるのですから、その心見え見えですわよ? 私だって、能力があります!」

走馬灯を共有した結果、探偵を死へと追い込んでしまった。はたして探偵は転生できたのか? そして無力のユピタは最後の希望、あとむの能力にすがりつく。次回 32話 現実空間に影響する歪み

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