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陽炎のディアストロタイム *最強をこの手に*  作者: 麓電子
3章 この世の秘密を紐解く地
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28話 ショータイム

ついに現れた怪盗赤月光! 「ぜんぶ盗む」と、怪盗は言った。家を盗まれる! そして、跡武のものはぜんぶ盗まれる。ユピタたちは怪盗の正体を暴けるのか⁉ 「最強だと思ったもの」が能力になる世界の旅。「俺」と「俺の最強」を探す冒険ファンタジー!

十二時の鐘が鳴り響く中、怪盗赤月光(せきげっこう)が、現れた!

真っ暗な夜空にゴウゴウと光を固辞する赤い月。その下に紅のマントをたなびかせる黒装束が立っていた。


先ほどから研究所の屋根が紐のようにほどけていき、その穴は夜空を見渡せるほど広がっていた。ほどけた後の屋根は非常に細く、月明かりの反射でしか認知できない。赤月光はその上に立っていた。


赤月光「ぜんぶ盗むって言いましたよね。跡武! 私はかつて、大切なものを奪われた。だから今度は、ぜんぶ奪ってやるよ! 資料も、」

シュウウウン紙が。資料がすべて吸い込まれてしまった。


赤月光「家も、」

シュルルル 家がほつれ、完全に糸になってしまった。これは、研究所が盗まれたということなのだろう。


赤月光「そして、あんたもだ!」

ほどけた家の先にあとむが吸い寄せられ、空へと舞い上がった。まさか、人まで盗むとは…誘拐じゃないか。


あとむ「きゃあ、やめてくださいませ。た、助けてくださーい!」


センリが真っ先に飛び出した。

センリ「唯我独走! あとむを離せや、赤月光!」

猛スピードで飛び出し、ジャンプしてあとむをつかんだ。そしてきら輝く糸を思いっきり叩いた。すると、案外簡単に切れたようで、かつて屋根側だった糸先は舞い上がってどこかへいってしまった。あとむとセンリが落ちてくる!


センリ「ちょ、待てや。ここで離さんくてもいいやろ。」

センリとあとむを受け止めれるよう構えた。そういえば、赤月光は⁉


あの糸の切れ端に乗ってこちらを睨んでいる。何故か、前にも睨まれた気がした。


落ちてくる二人のことは仲間に任せて、俺は赤月光を捕(と)る! 耳に挟んだペンを手に取り3べん回し、赤月光の方へと走りだした。空中に素早く竜を描写する。目を入れれば竜は空へ登り、俺を乗せて赤月光へと迫る。

ユピタ「画竜点睛を描く!」


赤月光「ちっ、見事な腕だ。能力を全開するしかないようだ。 いざ、ショータイム! とくとご覧あれ!」

バァァァァン 目の前で光がはじけ、気が付くとそこに赤月光はいなかった。


どういうことだ? 赤月光はどこへ… センリとあとむの方を振り向いた。センリは落ちていた。が、あとむはそこにいなかった。


センリ「消えよった! あとむが、閃光になって消えてしもうた!」

なに⁉ あとむも赤月光と同じように⁉ きっと、怪盗の能力だ。


センリ「そういや、消えはしよったんやけど、なんやワイの手に一瞬糸が絡んだんや。ひょっとすっと、家と同じであとむが糸になったんとちゃうか⁉」

なるほど、赤月光も糸になって逃げたんだ。きっと、糸はあそこに向かっているはずだ。


ユピタ「補さん!資料は糸になっても探せますか!」

警部補「もちろん! 探すぜ。透過捜査(くさのねを)!」

補さんの手から薄水色のレーザーが放たれ、クレイバ中を透過捜査する。


警部補「資料、家、何もかもクレイバの中心へ向かっているようだ!」

ユピタ「やっぱり、誓いの宮だ! 皆来て!」


坂道を竜に乗って駆け下り、誓いの宮へ!


糸になったとしても捜査の目は掻い潜れない。なのに3日前の犯行では盗まれた資料は発見できなかった。つまり、透過できない地下に隠したということだ。誓いの宮から、奈落へ!


昼にセムカが建てた通路がある。これを怪盗にも使われてしまったかもしれない。急いで通路を滑り降りた。だが、そこには何者もいなかった。


ユピタ「いったい、どこへ…?」

皆も到着した。飛び降りた可能性を考慮して下方に透過捜査をしてくれたが、なにも見つからなかった。


念のため出口のある警察署にも回り込んでもらったが、犯人の糸は発見できなかった。


俺たちは途方に暮れ、研究所跡地、跡武の家へ戻った。


ユピタ「そういえば、赤月光は家具も床も水道の水さえ盗んでいったんだよね。なんで土地は盗まなかったのかな。」

セムカ「土地かぁ、盗むとまずいんじゃないかしら。」

センリ「あの下もたぶん洞窟があるんやな。地面に穴開いてもうたら赤月光自身も落ちるからやないか?」

オプスクラ「でも、アイツ飛べるんじゃないのか?」

チェイサ「地面になんか隠してるんかね?」

…なるほど、犯人はきっとあの人だ。きっとあの研究の能力なんだ。



そんなことを話しているうちに研究所跡地についた。

なぜか、へばり夫人、偏さん、老紳士がいる。犯人は現場に戻ってくるって…怪しすぎだろ!


へばり夫人「轟音がしたから見に来たのよぉ。あ、別に怪盗じゃないからね。」

偏「もう姉さんが犯人でいい。」

アルガドルグ「わし、ただの被害者… いや確かに資料ほしかったけど、盗みなんて…できんわい。」


ふぅ。もうこの中の何人かは犯人に気づいているだろう。まぁ、あの探偵が共犯であることに疑いの余地はないが…


…というか、隠す努力をしていない。知られてもぜんぜん逃げ切る自身があるようだ。怪盗、赤月光!


ユピタ「皆、俺犯人分かったよ。推理、聞いてくれるか? 偏さん…いや、怪盗赤月光!」

ついにたどり着いた怪盗赤月光の正体。しかし、推理を当てたことでさらに計画は動き出す! 次回 29話 推理してくれてありがとう

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