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陽炎のディアストロタイム *最強をこの手に*  作者: 麓電子
3章 この世の秘密を紐解く地
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21/33

21話 ダブルフェイス

クレイバにつき、寿殿我族の秘密を知ったユピタたち。さらにユピタは最強の芸術、漫画と出会う。「最強だと思ったもの」が能力になる世界の旅。「俺」と「俺の最強」を探す冒険ファンタジー!

俺は、漫画家になった。

未完成なる芸術の続きを生み出す能力…最強だ。


あとむ「まあまあ、気に入っていただけたようですね。そのご様子ですと!」


俺は無意識のうちに、空に、漫画を描いていた。一つの話を完結させ、筆をおく。


ユピタ「あ、目を入れ忘れてた。チョンと。」

するとコマが動き出し、俺の頭を通過していった。その半透明な光の壁が吹き抜ける感覚は、まさに漫画の主人公の走馬灯を共有するようであった。


走馬灯とは本来、己(・)の人生を顧みる感動である。死の前にもう一度、同じ人生を歩くのだがら、人生を2回分楽しめるということだ。


しかし、漫画を読むという行為は、その視点人物の人生を顧みることを可能とする。他人の人生を楽しむことができるなんて…なんという恐ろしい芸術だ。


ハッ もう、読み終わってしまった。続きが…早く続きが、知りたい! 描かねば。


あとむ「楽しそうです。あ、いけない、私ったら。ご主人様が起きられる時間です。私は上で仮眠をとってきますわ。」

そそくさと、はしごを上って行ってしまった…ことにも俺は気づかず、ただひたすらに漫画を描いた。


入れ違いに上から跡武が下りてきた。

跡武「おっ、いいですね、マンガ。私(わたくし)も朝描いたと言っていました。」


さすがに、文章のおかしさに俺も振り向いた。

ユピタ「跡武さんも漫画を描くの?」


跡武「いや、僕には難しいんですけど、私漫画などなど芸術が得意なんです。」



その時、ドアを蹴破るようにして、見知らぬ低身長の男と警備員が数人入ってきた。


ガーランド「がさいれだ! オレは名探偵ガーランド。この研究所が盗難にあったと聞いてきたのだが、まぁ調べるまでもない。犯人は…跡武さん、あなた自身だ!」


跡武・ユピタ「えぇー⁉」


センリ「なんや、朝っから騒がしいやん。」

セムカ「そうよー。ゆっくり寝かせてよねー。」

二人が起きてきた。まぁ、あんなに大声で叫んだのだから当然である。にしても、どうして跡武さんが犯人なんだ? てか、この探偵誰だよ。


ガーランド「まぁ、推理を聞いてくれるだけでいい。その結果、あなたが逃走したら、警察署まで引き立てますがね。まず、真犯人はあなたであってあなたでない。跡武さんの二重人格(ダブルフェイス)、メイドのあとむさんだ!」


二重人格! あのメイドさんは跡武さんだったというのか⁉


跡武「ええ。僕は確かに二重人格(ダブルフェイス)ですが、私が、彼女が盗むとは考えづらいです。」


ガーランド「とにかく、あとむさんを出していただこう。」


跡武「わかりました。うーん、入れ替わるためには眠るのが一番早いですね。…だれか、子守歌歌ってくれませんか?」

セムカ「はぁ、ウチが歌ってあげるわ。 ♪子供を盾に~身を守り~…」


すやーっといびきをかいて寝ている。寝るの早!


幸せそうな寝顔を探偵がひっぱたいた。

ガーランド「起きろ起きろ! もう入れ替わっただろう。」


あとむ「キャア、ひどい。どなたですの、やめてくださいませ。」

たしかに、あのメイドさんになった。顔つきも先ほどよりやや丸くやわらげだ。


ガーランド「さぁ、自白しろ! お前が研究資料を盗んだんだろう?」

探偵があとむさんに怒鳴りつけた。すると、何かが歪んだような気色の悪い音がして、視野がググッと狭まった。


ガーランド「まず、犯行が行われたのは一昨日。お前は「昨日までの3日間調査に出ていたからクレイバで犯行には及べない」というアリバイを持っているな。だが、お前が眠るのを我慢すれば跡武は目を覚まさない。当日こっそり帰宅することは可能だ。」


あとむ「そんな、盗む理由がありません。」

弁明を言いかけたようだったが何か口ごもった。

探偵の一方的な言及が続く。


ガーランド「お前はお前の身が可愛くて、お前の地盤説と対抗する地球説学会に資料を売ったんだ。奴らに目をつけられたら地盤説なんて一握りに潰せるからな。己の主人の研究を失敗させることが唯一の生き残る手段だったというわけだ。」


あとむ「…その通りです。私がやりました。」


ガーランド「ようし。警備員、コイツを署まで連れていけ。」

ユピタ「ちょっと待ってよ。なぜか正しい気がするけど、いきなり連行はないだろ。警察でもないくせに!」


ガーランド「私の推理は真実。犯罪者は罰せられて当然なんだよ。」

ムカつく奴だがなぜか言い返せない。


ホワン ホワン ホワン

警備員「ガーランドさん、世界警察がやってきましたよ。よかったですね、連行する手間が省けましたよ。」

ガーランド「なに! …まずいなぁ あとは任せた。さらばだ!」

警察が来て逃げるなんて、変な探偵だな。

変な探偵が逃げたあと、世界警察がやってきた。真犯人を探すため、クレイバ中を探索する。次回 22話 そのデタラメはお見通し

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― 新着の感想 ―
展開が早すぎる!!ここからどうなってしまうんだ??
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