18話 先生ー、今すぐ卒業したいです
セムカが手に入れたボトルメール。やはり送り主はあの人であった! 手紙を受け取った各々がこの先の進路を決める。「俺」と「俺の最強」を探す冒険ファンタジー!
セムカの目はその手紙に張り付いて離れなかった。やがて紙はしわくちゃになり、濡れに濡れた。
紙から目を離したとき、そこには先ほどまでの驚愕したセムカはいなかった。
セムカ「うわぁぁん、ほんとによかったよ~ グスッ」
セムカが噴水になって喜んでいる。
いったい何が書いてあったんだ? 漂着した船から飛び降りてセムカのところに向かった。
ユピタ「セムカ、その手紙、ボトルメール?」
セムカ「そう、クジラの歯に挟まってたの。誰からだと思う⁉」
俺は少し考えたが、まぁ結論は一つだった。
ユピタ「わかるよ。おまえがそんなに喜んでるってことは、生きてたんだろ? メブキさん。」
セムカ「そう! やっぱり。生きてた。」
涙をぬぐって、俺に微笑んでくれた。生きていると信じていたとしても、その心配は計り知れない。俺も、セムカが元気になってよかった。
手紙にはこう書かれていた。
~親友セムカへ~
ごっめ~ん、あたしドジでさ、足滑らせてクジラに食べられちゃったの。左半身ないけど、能力でなんとか生き残ってたんだよ。
今私、あなたの進学先でひろわれて、いろいろ研究してるんだ。このボトルメールは、人食いクジラを飛脚にする実験ね。そのうち来てよね。未来研究都市モルハック。
あとの二枚はお兄とコダマに渡してね。たぶん見せたらどこか行っちゃうけど。
最後になるけど、あれ。約束したのと同じ日にね。
また会おう、故郷の木の下で
~あなたの ずっ友メブキ~
うう、泣かせる話だ。いろいろ気になることはあるが、まずはうしろの二枚を二人に渡した方がよさそうだ。
セムカが、手紙を渡しにいった。どうもアスナロとコダマは、憎みあっているようだった。
アスナロ「く、てめぇだけはメブキが直接とめでもしない限り恨んじまうぜ。」
コダマ「オレだってメブキに許してもらいてぇよ。」
セムカ「あの...いいところかもだけど、これ、メブキからの手紙...」
二人がセムカのほうを向いて、一瞬時が凍った。
アスナロ・コダマ「なにぃぃぃ⁉ 生きてたのか!」
アスナロ「どこで手に入れたんだ⁉」
コダマ「オレのあるのか⁉」
本当に子どもみたいにウキウキしている。
セムカ「あの、落ち着いて...二人ともあるよ。はい。」
アスナロ「確かにメブキの字だ。」
~お兄へ~
あの時はほんとごめん、心配かけて。でもね、今めっちゃ元気だから安心してよ。お兄も元気にしてね。
あたしの予感だけどー、ぜったいコダマのこと恨んでるでしょ。お兄ったら、あたしのために戦争まで起こしそうなんだから。でも、だめよー。あたし抜きだったら二人は親友でしょ?仲良く、ね。
そうそう。左半身食べられちゃったけどー、お兄があのときコダマの機械を半分消滅させて、その破片で助かれたんだ。あたしの能力「創造」はできないからさ。
じゃ、あたしを探しに来てね。
~妹メブキ~
アスナロ「うおぉぉぉん、わかったぜ。もうコダマのこたぁ恨まねぇ!」
コダマ「そうか、オレの腕の先があの時な。マジで運がいい。 オレのほうも読むか。もう許してくれてるんじゃね?」
~コダマへ~
あの時は助けにきてくれてありがと。うれしかった。でもね、半年間、ずっとあたしに振り向かなかったこと、絶対に許さない。あなたがどう思ってたのか知らないけど、あたしはすごく傷つきました! 女の子が好きになってくれたら、男も相手のこと好きにならなきゃだめ! それが男の務めです。
さあ、今まであたしが追いかけてたから、こんどはあなたの番! この世界から、あたしを探し出して。そしたら、許してあげるかもね。
~未来の恋人メブキ~
コダマ「うおぉぉぉん、だめだ、許してくれてねぇ! こうなったら、世界の果てまで探しにいくしかねぇ!」
アスナロ「決まりだな。一緒に行こうぜ。相棒。」
コダマ「! いいのか。ありがとよ。相棒!」
孔丘「だぁーめ! おまえらまだまだ授業あるだろ、世界の果てなんて何日かかるんだ。」
さっきの、たぶん3年電気科の担任だ。そうだよなぁ、卒業でもしないと。そこへ校長先生もやってきた。
セムカ「校長先生! 今すぐ、行方不明のメブキさんを探しに行くために、今すぐ卒業したいんですが...」
呂祥「そうじゃな。お前には半年前に「飛び級進学許可」を出しているしな。最終的にモルハックに行くならいいじゃろ。」
セムカ「やった! ありがと。校長先生。」
コダマ「ならオレらも。」
アスナロ「飛び級進学で卒業します!」
孔丘「おまえらの成績で行かせれるわけないだろ!」
コダマ「なら...休学します。」
アスナロ「行方不明の身内を探すためです。メブキの兄です。」
コダマ「メブキの...未来の恋人です。」
呂祥「はっはっは、いいじゃろう。世界にいろいろ学んでくるといい。」
コダマ・アスナロ「ありがとうございます!」
ユピタ「アスナロとコダマは二人で旅するみたいだけど...セムカ、おまえはどうするんだ?」
セムカ「なによ、白々しいわね。ユピタ、センリ、ウチを世界につれてって。」
改めて旅の仲間が増えたことを喜んだ。
ユピタ・センリ「もちろん!」
学園の仲間が集まっている。波騒ぐ渚に振り向いて手を振った。
ユピタ「じゃあね、みんな!」
アスナロ・コダマ「行ってくるぜ、てめぇら!」
学園の仲間たち「いってらっしゃい!」
この場所ではよき友がたくさんできた。
よし。向かおう。古代研究都市クレイバへ!
クレイバへと向かうユピタ、センリ、セムカ。何事もなく出発したが、抗争の中で起こった不可解なことには各々疑問を抱いていた。そしてユピタたちはついに古代研究都市クレイバへとたどり着く! 次回 3章 この世の秘密を紐解く地 19話 地を語る種族




