17話 また会おう故郷の木の下で
メブキのかたきのクジラを倒したと思われたコダマとアスナロだったが、それはおとりの影武者であった。巧妙にセムカを狙ったボスクジラから間一髪、センリがセムカを助け出した! 船上学園モフェルトンを巡る最後の戦いの勝者は⁉ 「俺」と「俺の最強」を探す冒険ファンタジー!
クジラのボスは高くはね、セムカを一飲みにしようとした。しかし、センリのほうが一瞬早く、そして高くセムカを救い上げた。
センリ「逃げ切るにはあと一歩や。しっかり捕まってくれや!」
セムカ「は、はいぃ!」 お姫様抱っこされて恥ずかしいのか、顔を赤らめている。
センリの能力は「走る」ことだから基本空中では身動きは取れない。だが、一旦クジラの頭に着地してそこから船に飛び移る算段のようだ。
大陸クジラ「グワァァァ ハァッ ハァ」(バカめ! 俺様の頭を踏み台にするようだが、俺様は口を閉じないぜ? そのまま口の中に落ちてこい!)。。。って、考えてんのバレバレなんだよなぁ。
センリ「ジブンの頭なんてあてにしとらんわい! もとから口の中走る作戦や!」
ダッ センリはボスクジラの口の中に降り立った。
セムカ「? なにこれ、クジラの歯に挟まって…」
パッと、キラ光ったものをつかんだ。
シュウン
口の中に降り立ち、瞬く間もなく船へと戻ってきた。
大陸クジラ「グオン グオオン?」(なぜだ貴様! なぜ俺様の考えていることがわかる! 速足小僧!)。。。
センリ「なんや、わかるんやよ。ジブン、運ギレやなぁ。」
同じ瞬間ー甲板ー
ソンブ「よし、ユピター。これでエンジンがなくても走るぞぉ!」
ニコラス「吾輩の帆設計も見事であろう。70ノットは出るぞい。」
船長室まで声が届いた。俺も動き出す。まずはあの、セムカを喰おうとした奴に制裁を!
ユピタ「いざ、出航! 風を受けて高速旋回、からのジャンプ。俺の能力「航海士」の最強技、軍艦突撃!」
ドグワァン ザッパァン みごとクジラの脳天にヒットした。
大陸クジラ「グハァ ウゴォォ」(ぐはぁ、まずい、やられる。この俺様が!)
そういえば、水中のラグビー部たちは無事か? こんな大技うっちゃたけど。
グググ 船の抵抗が大きくなった。なるほど、そういう作戦か。全力前進!
同じ瞬間ー水中ー
コダマ「ユピタの奴に作戦が伝わったようだな。オレが船を左手でつかむから、全員オレの左腕にしがみついとけ!」
ラグビー部『了解!』
船が猛スピードで進みだし、機械剛腕で船をつかむコダマたちも引っ張られ、直線状にいるボスクジラにぶつかる!
コダマ「これでラストだ! 行け、アスナロ!」
アスナロ「とどめだ! 対消滅タックル!」
キィィィィィィン ボシュッ
船の速度を加えたタックル! あの巨体と言えど、消滅はまぬがれないようだ。水中に高温の火球が生じ、爆音の拡散とともにクジラの肉体が消滅していく。
ホエール・オリジン「ゴ、 ゴ、ゴ...」(この、俺様がぁ! ...『星に選ばれしもの』である、ホエール・オリジン様がぁ! ...)。。。?なんやそれ、
センリにはボスクジラの断末魔が聞こえていたが、その意味はわかるはずもなかった。
消滅、した。だが、浸水が予想以上に速い。急いで陸地に向かわなきゃ!
コダマ「勝鬨だぁ! かたきをとったぞ!」
アスナロ「それより先に、船にオレらを引き上げろ! 窒息しちまう。」
コダマ「わりぃわりぃ、 行くぞ。」
腕の縮みにより全員救出。クジラたちは、クモの子を散らすように逃げていった。
陸地が見えた! あと20秒! 間に合うか?
ー船底ー
サクラ「キャッ、水圧が強く! 動き出したのね。 あと少しよ。がんばって!」
クヌギ・シロツメ「はい!」
船底では水との死闘がまだ終わっていない。サクラさんの疲労でバリアに穴があき始めた。あと少し、がんばって!
ザザァァン ザザァァン カンカン照りの浜辺に流れ着いた。全員、無事だ!
...さっきまでの状況は呉越同舟といったところだろう。大丈夫なのか?
あちらでは一年生たちが幸せそうに肩を組んでいる。
カチュウ・ガク・カンベエ「やったよ、ぼくら生き残ったんだ。抗争も...」
クヌギがジーと見ていた。
ガク「はっ、 すみません先輩、」
クヌギ「いや、いいんだ。むしろすまんかったなぁ、お前らに先輩の私怨押し付けて。他学科と仲良くしてもかまわん。組長らはどうか知らんが、オレは不良ぶった「組」もいらねぇと思ってる。」
カンベエ「だってよ、よかったなぁお前ら。」
ガク・カチュウ「うん。ほんとに。」
こっちではまだ対立しているようだが、
ニコラス「誰が敗北者じゃ!」
ソンブ「だってさっきオレに負けたじゃん。」
ニコラス「あれはユピタとの不思議な戦闘でなぁ!」
ソンブ「そうか悪かったよ。んなら今まで通り、宿敵ってことでいいか?」
ニコラス「おう。ライバル。」
で、なんで二人はあんなに仲良くなってんの...
セムカ「うわぁぁぁん、センリ、ほんとにありがとーぅぅ、今度は、私が恩返しするからね!」
センリ「いや、いや、仲間やないかい。助け合ってとうぜんやろ。てか、さっき変な持ち方して、マジすまん。」
セムカ「ううん。センリならいいの。なんていうか...」
うわぁ、ピュアだなぁ。まだ若いな。
センリ「てかなんや、セムカ、その手に持ってるもん。」
セムカ「なんか拾ったの。ボトルメールだ。」
セムカが瓶の栓をあけ、3枚の紙を取り出した。くるくると開けてみる。
セムカ「あ、裏から... また会おう、故郷の木の下で... これ、もしかして!」
ボトルメールを開けたセムカ。その送り主はやはり...! さらにもう2枚の手紙に書かれていたこととは!
次回 18話 先生ー、今すぐ卒業したいです




