今年もよろしく。
「ちゃんと冬休みの課題やってるでしょうね!?」
「うるせーな、ちゃんとやってるよ。」
「紫帆と年越ししたのってアンタ?」
「そうですよ?」
なんというか、カオスだ。なんだこのメンバー。
先生と翔はそれらしい会話してるけど空気がもうアウトだし距離だんだん近くなってきてるから自重して!気付いて!折角私や英司を利用して先生と初詣デートのカモフラージュしてるのに意味ないからね!?
反対では英司が南條さんにやたらと絡んでるし。そうだ英司の告白お断りしたんだった。そりゃぁ年越しデート(ほぼ強制)の話なんて聞かされたらよろしくないよね。余裕な南條さんの様子を見るに絶対わざと煽ってるよね?変態紳士め!
「もう早く帰りたい。」
そう思った私は悪くないはずだ。
「紫帆は何お願いした?」
行列に並び始めてからの両サイドのやり取りはお賽銭箱手前でなんとか終了し無事お参りが済んだ現在、先生と翔はおみくじを引きに、南條さんは皆の分の暖かい飲み物を自販機へ調達しに、私と英司は先程必死な男の人達がいた辺りで留守番である。
「まぁ人並みな願いだよ。」
確か願い事って言ったら叶わなかった気がしたので誤魔化す。納得はしていないみたいだけど、私が言うつもりがないのが伝わったのかそれ以上の追及はなかった。
お腹に槍が刺さるようなトラブルに巻き込まれたくないとか、南條さんが大人しくしてくれるようにとか、そんなお願いしたなんて知られたくない。
「俺、外部受けることにした。」
「え?…隠すのはもういいの?」
「うん。なんか色々吹っ切れた。」
冬休み直前に起こる英司の決意イベントは私がここで回収するのか。ただ、ゲームではそのまま内部進学で勉強頑張るーな内容だったはずだからこれも歪んだ影響か。
突然のイベント発生に驚いているのを、隠すことをやめたことに驚いていると思ってくれた英司は続けて何かを言っていたが聞いてなかった。ごめん英司。きっと受かるよ頑張れ。
それにしても、英司が外部となるとバレンタインのイベントには彼は参加しないのだろう。外部受験組は2月の2週目から家庭学習期間に入る為自由登校だ。私や絢子のように進路が決まってる生徒はダラダラ登校して好きに過ごすことが多いらしく、内部進学組は2月末に控えている試験の為に登校しなければならない。それに合格しないと卒業出来ないのだ。
英司が外部に決めたのが最近なら進路が決まってることはないので恐らく登校してこないだろう。試験日がその日になることだってあるし。
「こうやって過ごせるのもあと少しだからちょっと寂しいねぇ。」
「紫帆でも寂しいんだ?」
「そりゃぁ、仲良かった子達と離れるのに何も思わないなんてことないでしょうよ。」
向こうの高校で卒業式迎えた時は号泣だったからね。友達のほとんどと大学違ったし。まぁ麗君と出会えたわけだから全然後悔はしてないんだけど。
「とりあえず、今年もよろしくね。受験頑張って。」
「ありがとう。」




