新年早々面倒くさい。
4月から急にこちらで過ごすようになって、少し前に新年を迎えた。
あっという間だった気もするし意外と長かった気もする。なんせ色々ありすぎて既に春のことなんて覚えていない。ゲームだと気にならないけど、実際イベント続きだと疲れるね。
今年は卒業してあのメンバーと離れるからゆっくり過ごせるかなぁ。いや、南條さんいるから無理だ。
大晦日。
一緒に年越しを、と南條さんに誘われ了承したものの、クリスマスの暴走を体験した手前不安が拭いきれず。案の定、予定より早い時間に迎えにきた彼は両親と顔を合わせ談笑。お母さんに"将来が楽しみね"なんて楽しそうに言われてしまい気絶したかったおよそ10時間前。
初詣もすませたのでゆっくり睡眠を、とベッドに潜り込んだのが5時間前。
そして今、
「明けましておめでとー。」
「やっと起きたか。初詣行くぞ。」
空腹で目が覚めて1階に降りてみれば炬燵で蜜柑を頬張っている2人組。そんな2人に雑煮を出して横で寛ぎだした母。
「あら、おはよう。寝足りないんじゃない?」
「おはよう。お腹すいたから目が覚めちゃった。」
「じゃぁ用意してくるわ。」
母とは別の位置、テレビに背を向けて炬燵に足を突っ込む。向かい側の顔はテレビが見えづらくなって不満そうだ。
そんなのを無視してスマホチェックをすれば、友人からの新年の挨拶がズラリ。それに一つずつテンプレで返信していくと、比較的新しいところに南條さんからのものがあった。
内容は年越しのお礼と残りの冬休みの予定確認。私の方からもお礼とバイト以外で特に予定はないことを返信する。
知りたいと言った私に彼は時間を作っては会おうとしているらしい。スマホ越しじゃ分からないことも多いし、それは素直に嬉しい。
「寝足りないってもうお昼近いけど、夜更かししてたの?」
「知り合いに誘われて年越しと初詣行ってたの。そのままちょっと寄り道して帰ってきたから、そんなに寝てないのは確か。」
「よくおばさん達許してくれたね。」
散々談笑して好感度MAXだったからね!とは言えない。外堀埋められてるのは分かってるけど、阻止できる気がしないので放置である。
剥いてくれた蜜柑を手渡してくる右に座る彼、英司は不思議そうだ。蜜柑を口に入れて曖昧に笑って誤魔化す。
「お前もう初詣行ったの?」
「いつもの所ではないけどね。」
「ならいい。これから行くからさっさと食べて準備しろ。」
「横暴だなぁ。2人で行ってくればいいじゃん。」
向かい側の彼、翔を睨むも効果はなかった。
正月は何もイベントなかったはずなんだけど。香織先生は自宅でのんびりしてる描写があったし。翔と一緒に初詣行こうにも誰に見られるか分からないから無理だろうし。
…。あぁ、成る程。
「翔も大変だねぇ。」
「は?」
なんとなく思惑が読めたのでタイミング良く運ばれてきた雑煮に手をつける。同時進行で行儀悪いが、南條さんに予定が増えたことを一応報告しておこう。流石にないと思うけど、出掛けている間に家に突撃されるのは困る。
チラリと視線を動かせば英司もなんとなく察してはいるのだろう、翔を見て呆れている。
とりあえず、早く食べなきゃ。




