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逆ハールートは存在しません。  作者: うかびぃ
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友人は元通りにならなかった。

また台風ですね。仕事に影響があると更新が出来なくなるのでツラいです。


「北沢先生だいぶ変わったよねぇ。神田先生もだけど。」



冬休みに突入してすぐに連絡を寄越してきたのは絢子だった。

あの日の翌日、何事もなかったように出勤してきた香織先生と神田先生は生徒間でだいぶ噂になっていた。私が刺されて動けなくなっている間の2人の口論を内容まではいかなくとも聞いていた人がいたらしい。すぐに拡散され修羅場のその後を楽しみに登校してみれば、香織先生は本来のヒロインの性格に戻って大人しくなり、神田先生もキャラ設定通り。私はこれが本来の2人だと安心したけど、何も知らない人からすれば違和感しかないだろう。

香織先生の方は翔と付き合ってるという記憶自体はちゃんと残っているみたいで、たまにコソコソ2人で何かしてるのが自宅の窓から目撃できた。休日はバレないようにお互いの家のどちらかで過ごしているらしい。別れる気はないようだ。



そんな全てが元通りというわけではなく、少しの歪みを残したまま緩やかに日々は過ぎていき。

クリスマス直前、冬休みが始まってすぐに私は絢子に呼び出された。お互い受験の心配もないので自由度が高い。ただ季節的に今年はコレが最後の会う日だろう。クリスマスや年末年始は社君と一緒って言ってるし。私?バイトですけど?



「今更な感想だね。あれだけ騒がれてたのに。」

「そっとしておけって言った本人がそれを言うの?」

「私も実はその場にいたなんて知られたら更にカオスになりそうだったからね。何処で誰が聞いてるか分からないし、報告しただけでもいいでしょうが。」



他と同様好奇心の強い絢子に隠しておくのもなかなか難しいと即断即決した私は周囲にかなり警戒しながら事のあらましを出来るだけ伝えた。彼女の感想はただ一言、"ウケる"。全部話せなかったのが悔しくてしょうがない。

そんな絢子でも流石にマズイと思ってくれたのか、頼んだ通り他言無用でいてくれている。今はまぁ、知り合いもいないし大丈夫でしょう。



「んで、紫帆は南條さんのことどうするのかしら?」

「どうもこうも…。私がこの地を離れれば冷めるんじゃないかなと…。」



仕方なく、本当に仕方なく南條さんのことも話したが、あの時の顔忘れてないからね。思い出してまた楽しそうにしてるけどさ。

あの後も定期的にバイト先に来ては甘ったるい台詞を投下して帰っていく南條さん。事情を知ってるマスターもタジタジで、最近は彼を追い出す為か私を早上がりさせようとまでしてくるくらい。そのまま送ってもらうことになるんだけども、これまた甘ったるくて。

なんだこれ、乙女ゲームかよ。乙女ゲームだわ。



「馬鹿ねぇ。そのくらいで冷めるわけないことくらい私でも分かるわ。まだ未練あるわけ?」

「うっ…、まぁ。」



冷めて欲しい気持ちと想っていて欲しい気持ちが存在するのは認める。結局絆されてるじゃんチョロい、とも思っている。

でもやっぱり麗君のことを割り切るにはまだ時間が必要で。それを分かってて南條さんも優しくしてくれるから、会う度に罪悪感。



「まぁ冬休み中にゆっくり考えればいいんじゃない?バイト先はしょうがないけど、年末年始だし忙しそうだからそれ以外で会うことはないんじゃない?」

「それが…。」



実はこの後待ち合わせです、って言ったら絢子に大爆笑された。





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