死亡エンドにすらならない。
また少しブックマークが増えてましたね。ありがとうございます。
読み応えもない拙い文章ですがこれからもよろしくお願いします。
「お姫様のピンチに颯爽と現れる僕はまるで王子様!」
30歳前後のオッサンが王子様とか自分で言っちゃ駄目だと思う。まぁ中身がアレなだけでキャラクターである神田先生はもれなく顔面偏差値高いんだけどさ。
私の横を通り過ぎ結花ちゃんを庇うように立ち塞がるラスボス神田先生。今お腹に刺さってる物は彼の仕業なようだ。
コレ刀とかじゃないよね?槍なのかな?こんなものどこから出したんだろう。口の中が鉄の味になってきた。
というか、マスターが加護をくれたはずなのに思いっきりぶっ刺さってるけど。綺麗に貫通ですよ。悪意ある攻撃からは守られるんじゃなかったのか?純粋な気持ちで殺人とかあるの?
「僕の大事な結花ちゃんをいじめるとか駄目だね!1週間待たずして抹殺だよ!」
声を出したいのに口から出るのはヒューヒューとした音だけ。私このまま終わるわけ?
「神田先生!アタシはもう戻れないの!?」
「うん?結花ちゃんは戻りたいの?」
「だって戻れるって言ってたじゃない!それに、相澤さんって…。」
「戻るつもり無さそうだったから手段は用意してないよ?相澤さん?あー、君のお友達だった子だね!いらないって言ったから消したじゃないか!」
動かない私を見て青ざめてた結花ちゃんはハッとして神田先生に詰め寄っている。それに答える彼の口調はヘラヘラしているけど、目の色が怪しくなってきた。狂気を含んでいそうな危ういそれに結花ちゃんは気付いていない。
なんて考えて、考えを中断。
私なんで死なないの?
結構血出てるけど何故か痛みは治まった。一瞬ぼんやりした視界は今はハッキリとしているし、痛覚以外は正常だ。凄い鉄の匂いで鼻が可笑しくなりそう。
私が死んだと思っているのか完全に放置して口論している2人。神田先生なら気付きそうなんだけど、どうなっているんだ?
もしかしてこれが加護なのだろうか。こんな時間差嫌なんだけど。一回死にかけないといけないなんてよろしくない。
「とにかく!憎きオバサンは処理出来たわけだし、これから結花ちゃんと僕で幸せになろうね!」
「嫌よ!アタシはお兄ちゃんの所へ戻るの!」
「だから結花ちゃんは向こうでは死んじゃってるから無理だってぇ。」
「そこを何とかしてよ!」
うっとりと見つめてくる神田先生から逃げるように後退る結花ちゃんだけど、すぐに壁に追いやられてしまった。また壁ドンですか。やっぱり流行ってるんですね。
そうじゃなくて、いつまで放置されているんだ私。普通に頭動かして2人を観察してるのに気付いてくれないのはちょっと…。
もうこのまま教室から出てっても問題なさそう…いや、死体が動いてたら大問題だわ。今の私ゾンビじゃん。
「いい加減気付けや馬鹿共!」
「きゃぁぁぁ!!」
「えぇぇ!?」
引っ張っても特に痛みはなかったので、お腹からズルズルと槍を引き抜き床に叩き付けながら叫べばようやく2人がこちらを見てくれた。
ゾンビな私を見て絶叫の結花ちゃん、まだ生きてることに驚愕の神田先生。
少々の沈黙の後、思考がカムバックした神田先生が同じものを再び手にし私を見据える。なんで生きてるかは考えないのね。とりあえずもう1回なのね。
どうせ死なないのなら抵抗するのも面倒だと思い瞳を閉じる。
しかしいつまで経っても神田先生の動く気配がない。もしかして結花ちゃん連れて逃げた?もしそうなら、私が1人で恥ずかしい格好してることになるんだけど。
恐る恐る目を開けてみると。
ゼロ距離一歩手前までイケメンが迫っていた。




