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逆ハールートは存在しません。  作者: うかびぃ
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どうしたいのだろう。


寒さもだいぶ厳しくなった頃。

期末テストも無事終了し、来週の結果を待つのみとなった生徒達の間では間近に迫った冬休みの話題が飛び交っている。

1、2年生はクリスマスがどーのこーのと。そして私達3年は、



「センター試験まで残り約1ヶ月…!」



主に受験の話である。そのまま清蘭のエスカレーター組は外部を受けるよりラクだけども、年明け最初に一応試験があるので意外と真面目に勉強している。外部組はその試験は受けず、最初の関門センター試験に向けて必死だ。



「思い出作りで受けるといえど、手は抜けないわよね。」



相変わらず余裕な絢子は目の前に転がる屍となった友人と一緒に対策問題を解いている。皆それぞれの目標(下心含め)の為に頑張ってる成果は模試の合格判定に良い結果として出ていた。このままいけばきっと受かるだろう。



「ちょっと抜けるね。」

「なら温かいの飲みたい。」

「了解。」



私も折角だから受けることにしたので一緒に勉強しているが、この状態では休憩を入れるしかないと思い立ち上がる。すかさず絢子にお願いされたのでスマホと財布を持ち、快適な教室から寒い廊下へ飛び出す。因みに今日は午前放課で、それぞれお昼ご飯持参で夕方まで教室で勉強会である。同じことを考えてる人達は結構いるようで、他の教室からも話し声が聞こえてくる。

ゲームでいえば7割程終わってる感じだけど、エンディングを迎えたら私はどうなるのだろう。卒業と同時に戻れるのか、この世界に永住なのか、存在が消えるのか。そもそも私はどうしたいのか。



「まぁ、帰りたいよね…。」



一番近い自販機に到着したものの、飲みたいものが売り切れで。溜め息と共に出た呟きは誰にも拾われることなく。どうせ皆が復活するのに時間はかかるだろうと、食堂横まで行くことにした。



こちらに来た当初のことは曖昧だ。なんせ気付いたら周りは高校生、隣には画面越しでしか見ることのなかった人間がリアルに存在していて。特に説明もなく始まった謎の生活に年甲斐もなくホームシックになったなぁ。

帰りたいとハッキリ言えなくなったのはいつからだろう。今だって勿論帰れたらとは思うけど、以前と比べればそこまででもない感じがする。だってこの生活楽しいし。ただ同じような毎日を繰り返していた社会人の時より幅も広がった選択肢にワクワクもしている。向こうの生活も私が決めたことだから何とも言えないけども。まぁ、こんな毎日がイベント!みたいなゲームの世界なんだから比較しちゃ駄目だろう。



「いやいやいや…。」



誰もいないのを良いことに独り言全開だ。こんなの残りたいって言ってるみたいでマズイ。私は元28歳だぞ。現実を見るんだ。



「麗君に会いたいなぁ…。」



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