選択肢間違えた自信ありますよ。
落ちに悩んで更に迷走中です。
「俺、夏休みに先生に告白しようとしてフラれたんだが…。」
「知ってる。見てたからね。」
引き続き大道具の中からお送りしてます。色々振り切れてこの状態に慣れてきてしまっている自分が恐ろしい。
「なんで知って…。」
「あんな所で話す内容じゃないよね。誰が見てても可笑しくないから。多分私以外にも見てた人はいると思うよ。」
だからこそ噂になって生徒から非難されてるんだろうね、と続ければ心当たりがあるのか彼の表情が暗くなった気がした。君がそんなに悲しげにすることないと思うけど。
「皆の先生だって言ってたんだがな…。裏切られたような気もするが、どうにも未練が残る。綺麗に忘れてしまえたらいいのに。」
一つ息を吐いてそのまま擦り寄ってくるこのイケメンをどうしてくれよう。こんな女々しい設定ではなかったはずなんだけども。まぁ既に色々可笑しい所はあるから今更驚きはしない。というか、寧ろ私を誰か慰めてくれ。私1人でいたらガチで泣いてたよ。
「…忘れる必要はないんじゃないんですか?ゆっくり自分の気持ちと向き合って、そしたらきっと納得できる所に落ち着くんじゃないかな?」
「向き合う?」
「君にはそれをするに最適なものがあるじゃないですか。あの2人がそういう関係なのは少々問題で非難されてしまうものだけど、国立君は行動さえしなければ非難されないし。想うのは自由ですよ。」
半分自分に言い聞かせるようにポツポツと。彼は作詞もしてたはずだから色々吐き出して向き合って、きっと良い方向に持っていけるはず。私は残念ながら昇華させられる方法を持ち合わせていないからずっと抱え続けるのだろうけど。
「俺に歌えと?」
「勿論ありのままを歌詞に反映させたら残念な曲になりそうだけど。国立君なら上手いこと出来るでしょ。」
向こうの世界でプレイしていた時の彼の曲は担当声優さんが作詞したもので実際の彼の力量は分からないけど、顔面偏差値だけのバンドではないだろう。
「ありがとう。」
「ん?元気でた?」
「さっきよりはだいぶ落ち着けたと思う。」
カチャリと、解錠されて開いたドアから光が入ってくる。そこまで長い時間隠れていたわけではないけど目がチカチカする。やっと解放された私はいそいそと脱出して身だしなみを確認。少し暑かったけど汗もかいてないからクサイ女だとは思われずに済んだかな。
「アンタ、良い奴だったんだな。」
「どういうこと?」
「翔の幼馴染みって聞いてたから、同じように性格悪いと思ってた。愛想も悪かったし。」
「随分と失礼だな。…人見知りする方だから愛想が悪いのは否定しないけど。」
嘘である。出来れば翔とも適度な距離を置いて君達を観察したかったから、仲良くしたくなかったんだよ。見事に失敗して失恋するという残念な結果になったけど。
という本音は綺麗に隠して答えれば納得してくれたらしいので安心。
「曲、作ったら、一番最初に聴いてくれないか?」
「へ?」
「アンタのお陰だし。お披露目前に聴いて欲しい。」
出来たら連絡する、といってさっさと教室を出ていく国立君。さっきまでの女々しさはどこへ行った。何吹っ切れた顔して去っていくんだ。
いやいやそうじゃなくて。
「連絡先知らなくない?え?また会わないといけないの?あれ?私色々間違えた?」
要らぬフラグが建ってしまったらしい。
また絢子に笑われそう。




