いっそ一撃必殺で。
文化祭も無事終わり、豪勢な打ち上げにクラス皆で歓喜してから少し経った頃。
教室にはまたもや屍がちらほら存在していた。
「文化祭終わってから怒濤の模試ラッシュ…。」
「そして今月末には中間考査…。」
「「「受験生やめたい。」」」
HRで前々回の模試の結果が返された本日、お昼ご飯の為に集まった友人達はゲッソリしていた。唯一淡々と食事をしている絢子は、推薦候補にほぼ確定してるらしく余裕である。
「避けて通れないものだし、やるしかないでしょ。」
「皆似たような状況だし、頑張って。」
「あぁムカつく推薦組!」
因みに私も推薦組ほぼ確定である。試験あっても実技メインだから他の子より覚えることが少なくてありがたい。
「とりあえずコレはおしまい!切り替え切り替え!」
「うんうん!ってことで、最近皆どうよ?」
「どうって?」
「彼氏のことよ!なんだかんだ皆上手くいったじゃん?」
そう、なんと文化祭マジックに肖って見事全員彼氏が出来たのである。まぁ絢子はもともと社君いるし、
「私は彼氏いないからね。」
「紫帆って本当に残念よね。」
私は変わらず独り身である。だって失恋確定ルートですし。他に目を向けるのはまだちょっとね。
「文化祭で一緒に回ったあのオニーサンは?」
「あの人は恩人だし年齢差ありすぎて。」
「じゃぁ橋爪君は?」
「普通に友達。」
「じゃぁ数本君!」
「…幼馴染みだからね。それにアイツ青春中。」
「…ぐっちー?」
「何故そこにぐっちー入れた?」
呼んだー?なんてタイミング良く横切ったぐっちーはすっかり元気である。あの3人とは和解出来たみたいだけど、流石にもう友達は続けられないって残念がってたな。
「紫帆ちゃんの周りイケメン多くて選びたい放題なのに本当に勿体無いというか…。」
「あのオニーサン絶対優良物件だよね…。」
「紫帆って今まで彼氏いたことあるわけ?」
あからさまに残念そうな目で見られるけど、いいなって思うだけでその人とどうにかなりたいだなんて思えないんだからしょうがないじゃないか。どうにかなれるなら翔とがいいわ畜生。
最後の質問をしてきたのは絢子だけれども。今までって、この世界ってこと?それとも向こうでってこと?両方で考えていいなら、
「うん、いたよ。3年くらい。」
いたね、向こうには。しかも婚約寸前だったわ。元気にしてるかしら彼は。
「何それ初耳!どんな人!?」
「別にたいした人ではなかったよ。価値観が合ったというか。」
「高校入ってからの話ならアタシ達でも知ってるだろうし…。」
「じゃぁ中学時代?その時点で価値観云々ってどんだけよ…。」
聞かれたから答えたのにこの返し。そりゃ25歳前後の話だからね!価値観って大事なのよ!
「それからいないってことは、まだ忘れられないってこと?やだ紫帆一途!」
「でもさぁ、うちら女子高生よ?一番良い時に独り身ツラくない?」
「好み教えてくれれば紹介するよ?」
勝手に解釈してどんどん話を進める友人達はもう止められそうにない。絢子は楽しそうにニヤニヤしてる。
好みなんか翔一択なんだけどなぁ。
「うーん…。こう、ガツンとくるような人に出逢いたいかなぁ?」
「何それ?」
「一目見た瞬間に運命!みたいな?」
「乙女か。」
でもそれくらい衝撃ないと翔には勝てない気がするんだよね。




