このまま知らないフリをしていたい。
遅くなりました!また殴り書き…。
仕事が忙しくなってきて更新が難しくなりそうな感じです。すいません。
入口はいたってシンプル。中から漏れてくる空気が少し冷たい。出てくるお客さんの様子を窺うと、なかなか凝った作りになっている感じらしい。
F組に到着(繋いでいた手はちゃんと離した)したものの、私達は入ることが出来ないでいる。別に私も南條さんも怖いのは大丈夫なんだけど。
入口にぬりかべ、基お化けな英司が立ち塞がっているのである。
「英司、入りたいんだけど…。」
「嫌。隣の奴、誰?」
先程から同じ流れを何度繰り返したことか。英司は南條さんが気に入らないらしい。
「だから、入院した時の恩人の南條さんだってば。」
「紫帆が足を滑らせた時の?」
「そうだよ。だからそろそろ中に案内してよ…。」
"足を滑らせた"の所で横にいた南條さんが不思議そうな顔をしたけど今この場で説明するのは難しい。英司も渋々だけど、やっと動いてくれた。
「ねぇ、紫帆。後夜祭一緒に参加しよう?」
「英司と?まぁ誰とも約束してないけど。ただ少し野暮用があるから、抜ける時間もあるよ?」
絢子は社君と一緒にって言ってたし、他の友人も文化祭マジックで彼氏出来たり後夜祭で告白する予定だったりで、正直参加しないで帰ろうかとも思っていたんだけど(それを言ったら友人達に憐れみの眼差しを頂戴した解せん)。昨日ぐっちーに助っ人頼まれてなかったら確実にぼっちだったろうし。
野暮用にまたしても食い付いてくる英司を適当にあしらい、南條さんを引っ張って強引にお化け屋敷に入る。あとで連絡するから今は許して英司。
「なんか僕、だいぶ嫌われてたみたいでしたけど…。」
「彼は人見知り激しいらしくて。仲良くなれば普通なんですけど…。」
如何にもな雰囲気の屋敷内で所々にある演出をほぼスルーする形で歩いている私達。ちょっと怖さが足りないかな?先に入ったお客さんの悲鳴が聞こえたりもしたけど、そこまではっていうのが正直な感想。
「彼は紫帆のことが大好きなんですね。」
「英司がですか?あははー、ありえないですよー。」
「…鈍感なのか、敢えてなのか。」
絢子みたいなことを言う南條さんに否定をする。そのあとの呟きは聞かなかったことにしよう。万が一そうだった場合、私は英司にお断りしなければいけない。正直に翔が好きだからって言うのも2人に距離が出来たら嫌だし、翔が先生を好きなのを知っていたら忘れる為に利用しろと言いかねない。だから英司が私を好きかもしれない可能性には気付いていないフリをしていたい。
「まぁ、彼のことはいいんです。それよりもさっきの会話なんですが。」
うん、そろそろだと思ってましたよ。
「貴女が足を滑らせたせいで入院したというのはどういうことですか?」




