やっと勘違いを指摘できました。
「私達は何の為にここへ来たのですか…?」
それが素直な感想だ。彼女は私よりも多くの情報を与えられ、自分の望みを叶えるのを条件に何かしらを頼まれたのだろう。
じゃぁ、私は?私を同じように利用しようとするなら、何故彼女と同じ条件にしなかったのか。
きっとその理由も彼女は知らないだろうけど、それでも聞かずにはいられない。
「そんなの知らないわよ。アタシはアタシの好きなように過ごせばいいと言われただけ。もしそれが地雷を踏んだ場合はゲームオーバーだよって。」
「地雷…。」
「まぁ十中八九ヒロインよね。」
なんか目の前の少女が相澤さんなのが疑わしくなってきた。こんなに色々考えてる人なんだっけ?
「つまり、先生に関わらなければいいってこと?」
「アンタにそれは無理でしょうよ。なんせ、ヒロインが好意を抱いている数本翔の幼馴染みなんだから。」
本当に翔ルートに入ってしまったのか。こうなってしまったらきっと私が何もアクションを起こさなくても何かしらのトラブルは発生するだろう。
本来翔ルートのライバルキャラはA組の地味な女子。時期的にそろそろ登場するはず。ただ設定上私もライバルキャラになってしまう可能性は大いにある。私にその気がなくてもだ。
「ただ1番厄介なのはヒロインね。」
「先生が?あの人はシナリオ通りに動いているんじゃないの?」
「アンタはイベントの発生時を狙って観察でもしているからそう思うのよ。日常のアレは相当よ。アタシがヒロインに手を挙げた時の顔なんて…。」
「放心してたんだっけ?」
「まさかっ!アタシを見て嗤っていたわよ!翔からは見えないようにね!」
憎たらしいっ!と叫ぶ彼女だが、貴女も相当だからね。自覚しようね。そして声抑えてね。サボってるのバレちゃうから。
ただその話が本当なら、先生も知識持ちな同類の可能性が高い。
「その内航太の彼女もフラれるんじゃないかしら?絶対あのヒロイン逆ハー狙いよ!」
「あー…、相澤さん、そのことなんだけどさ…。」
「何よ航太の彼女のこと?」
「違う違う。絢子と社君は追々なんとかするとして…。」
「じゃぁ何よ?まさかやっぱりアンタも逆ハー狙いなわけ?」
どうして全部逆ハーに持っていこうとするかなぁ…。勘違いが酷いよ。やっぱり残念な人だよ。顔面偏差値は高いのに勿体無い。
「そもそもこの世界の元となってるゲームに逆ハールートはないんです。」
「………は?」
「最後のスチルは隠れキャラのやつなんです。」
「か…くれ、きゃらぁ?」
「そうです。本当にオマケみたいなものだからシナリオも短いけど、ちゃんと隠れキャラなんです。」
この時の相澤さんの顔はきっと忘れられないと思う。
悲鳴を上げた彼女のせいでこの後すぐ捜索隊に見つかり連行されるのである。
それを最後に、相澤百合香はこの学校からいなくなってしまった。
私の記憶だけにその存在を残して。
残念少女退場。もっと登場させてあげたかったです。次から先生の出番増やしていきます。




