友達になりました。
短めです。そろそろまた残念少女を出していきたいところ。
「御馳走様。美味しかったです。」
他のお客さんの接客を終えた後、マフラーおじさんの空いたお皿を下げるついでに食後のコーヒーを持っていったら綺麗に微笑まれた。マフラーなければ素敵な紳士なのに勿体無い。
「そう言っていただけるとマスターも喜びます。」
「折角だから、飲み終わるまでお喋りに付き合ってくれないかい?」
わぉ、ご指名入った。確かにもう店内には彼以外にお客さんはいないけど。
構いませんよ、と一度お皿を片付けに奥へ行きマスターに確認すれば快く送り出してくれたので端にある椅子を手にカウンターへ戻る。
「オジサマはよくこちらへいらっしゃるのですか?」
「いや、初めてだよ。仕事でこっちへ来てね。お嬢さんはずっとここで仕事をしているのかい?」
「私は夏休みの間だけですよ。いつもはマスター1人です。」
「そうなのか。もしかしたら異動でこっちへ来るかもしれないから、ここへ通うのも悪くないと思ったが…。」
なんか好かれてる?私ってオジサマキラー?
「もともと私ここの常連なので、もしオジサマが通うようになったらお客として会うことになりそうですね。」
「おや、そうなのかい?こちらでの楽しみが増えるのは嬉しいねぇ。」
それから10分ほど他愛のない話を続けてるとマフラーおじさんのスマホが鳴った。お迎えが来たらしい。え、もしかしてお偉いさんとかだったりするの?
「お嬢さん、もし良かったらまたお茶でもしよう。」
そう言って店を出る直前に小さなメモを渡された。中を見れば数字の羅列。プラス、メールアドレスもある。
流石にコレはと思い外を見るも既に彼の姿はなかった。なんてこった、こんなことなら適当にあしらっておけば良かった面倒くさい。
「完全に私から連絡しないといけないやつじゃんか…。」
メモの一番下に書かれた"篠崎"の文字に、マフラーおじさんで登録しちゃ駄目かな?と、とても失礼なことを考えてしまったのは許して欲しい。
納得いかないがとりあえずメモを胸ポケットにしまい、どうせならさっき聞きそびれたマフラーをしている理由を聞いてみようかななんて思いながら、空になったコーヒーカップを手に取った。




