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異世界魔法、観察してみたら  作者: 猫チュー
第二章 学園編
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第80話 成長、見せてくださいね

 ガタゴトと馬車は進む。

 急ぐ旅でもないので速度はわりかしゆっくりだ。

 そもそも、そんなに速度を出すのに特化した馬車でもない。

 我々日本人が思い浮かべる四頭立ての箱馬車。

 あれの4人乗り用だ。

 本来なら5人で乗る物ではないが、元々ゆったりしたスペースはあったし、多少詰めれば5人でも十分に乗れた。


 普通、使用人は後部座席に乗るものだが、王女がこれを許さなかった。

 雨に濡れたままの移動になるかもしれないからだ。

 尤も御者はどうにもならないのだが……。


 長旅になるため、休憩を多めに、速度もゆっくりで行く片道二週間にも及ぶ旅だ。

 使用人が風雨にさらされたままというわけにもいかない。

 ……一部の貴族は当たり前にそのような仕打ちをするのではあるが。


 長旅であるため、荷物も結構ある。

 余分なものは持ってきていないとはいえ、馬車の上に革製のトランクに防水カバーで守られている。


 野盗に狙われてもおかしくない豪奢な馬車だが、そうそう襲われることもなかった。

 王家の紋章が入っているためだ。

 王家の紋章付きの馬車なのに、目立った護衛が周りに居ない。

 つまり、かなりの手練れが同乗しているということだ。

 更に――


 ピュン!


 本当に稀に現れる野盗の類は一流のアーチャーが仕留めていた。

 かなり遠くから、尋常ではない精度の狙撃を見せられれば、大抵の輩はビビッて手を出そうとも思わなかった。

 しかし、何事にも例外というものはある。


 それは出発してから五日目のことだった。

 20人規模で襲ってきたのだ。

 メリア一人でどうにかできるか、ぎりぎり怪しいラインであった。

 すぐに判断したメリアは、ポーチからベルを取り出して鳴らす。

 

 カランカランカラン。


 すぐに三台の馬車が止まり、中からレイとアルソが出てきた。

 二人はメリアの元に移動し、敵の方角を確認する。


ここでレイ視点に戻る

 

「団体だな。私も少しは荒事の経験はあるが……」


「レイさん一人で行けますよ」


「僕に押し付けたいだけじゃない?それ」

 

 まぁ、僕も魔獣相手にしか戦闘経験ないし、ガガダ山賊たちに恐怖して動けなかったあの頃からどれだけ克服できたか確認しておきたいし、ちょうどいいかも。

 ラーンク軍のアレは戦闘経験ではないのでノーカンで。


「僕の腰が引けたらフォローしてくださいよ。メリア」


「成長、見せてくださいね」


 まぁでも、あまり近距離で戦うわけでもないし大丈夫かな?


 夜盗?が近づいてくる。

 一般人……には見えないけど確認した方がいいのかな?

 一応逃げたり回り込まれたりしないように空気の壁で隔離するか。

 ちょうど彼らが立ち止まったのですぐ壁を作る。

 声が届くように足元に隙間を作っておく。

 まぁ、上も蓋をしてるわけじゃないから大丈夫だとは思うんだけどね。

 

「お貴族様の馬車だな?この馬車売るだけでも……」


 はい夜盗確定。

 

「アニキ!」


「やかましい!今オレが話してんだろうが!」


 さて、どうやって制圧しようか。

 空気を上からたたきつけるアレは、同時に仕留めないと意味ないしなぁ。

 足だけ狙ってダメージを与えるとかもできるけど、あんまり人間相手にやりたいとは思えないなぁ。

 うーん。

 あ、そうだ。


「閉じ込められてる!」


「なに!?」


 空気の壁の隙間をなくしていく。

 上も蓋をしちゃう。

 その後、中の空気の分子運動を下げていく。

 あっ。

 カホクが発見したあの理論を試してから魔法を使う効率がめっちゃ上がってる気がする。

 

 さあ、戦闘開始だ!

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