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異世界魔法、観察してみたら  作者: 猫チュー
第二章 学園編
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第75話 明日から夏休み!

 明日から夏休みだ。

 ターツとは少し前からそれなりに話すようになった。

 彼も敬称なしで良いと言ってくれた。

 貴族であることに誇りを持っているみたいだけど、それを鼻にかけることはないみたいだ。

 知れば知るほど、尊敬できる男なんだよな。ターツ。

 

 まぁ……気軽なノリの男友達って感じじゃないんだけどさ。

 それでもそれなりにターツからは信用してもらえてると思う。

 他のクラスメイト相手よりも、僕との方が多く話してるし。


 僕とターツが普通に話してるのを見て、クラス中がざわついたのは少し面白かった。……なんて言ったら怒られるかな?


「お二人が仲良くなれて良かった……」


 サクラはそう言って顔をクシャっとした。

 泣きそうになるくらいに僕とターツのことを考えてくれてたんだなぁ。

 いや、これはまさか……。


「ねぇ、もしかしてサクラってさ――」


 ポカッ。

 僕が隣のシノカに小声で確認しようとしたら、いつの間にか後ろに回ってたカホクにグーで叩かれた。頭を。


「カホクさん、GJ(ぐっじょぶ)


 芽結がサムズアップをする。


「ちょっとこっち来る」


 そう言って引っ張られる。


「でりかしー」


「はい、すみません」


「ん」


 そう言ってカホクは顎をクイッとやった。

 戻れってことらしい。


 はぁ。

 いや、本当にノンデリだったわ。

 こういうところ、ターツとかはきっと自然体で配慮できるんだろうな。

 同じ男として勝てる気が全然しないわ。はぁ。


「鈴には鈴のいいところ、いっぱいあるから。でも、今回は反省」


 はい。

 本当に気を付けよう。


 さて、僕たちはサクラの家の別荘に行く日のための、最終確認だ。

 とはいえ、そんなに必要なものはないみたいだし、最悪忘れてもなんとかなるでしょう。とのこと。

 あ、使用人さん用に菓子折りでも買っておこうかな。


「いいね。私も買おうかな?」


「いや、王女様からの差し入れは重過ぎるでしょ」


「だよねー」


 ですよー。


「あ、馬車はうちの馬車出すから」


 芽結がそう言いだした。

 

「もしかして、あれ?」


「そう、あれ」


 あの揺れない馬車、めっちゃ乗せてくれるじゃん。

 

「あ!!!」


「な、なに!?レイ!」


「シノカ落ち着く」


 カホクはいつも冷静だなぁ。


「いや実はさ、ブイニシャにあの子がいるなって思って」


 僕は村から王都に来る途中で馬車に接触した女の子の話をした。


「なんかめっちゃかわいらしくてさー。すっごい懐いてくれるんだよー」


「また会えるといいね。そしたら私にも紹介してもらおうかな?」


 芽結にもきっと懐くよ。


「でも会えるかなー?ブイニシャ広いしなぁ。あ、でも師匠のタリスマンが導いてくれたり……いや、さすがにそんなに都合よくないか」


「随分と楽しそうだな」


 なんなんだろうね?

 村のチビ達もかわいかったんだけど、あれとはまた別なんだよね。


「そんなことよりボクはそのポーションに興味があるんだが」


 あっ。

 そういえば、あんまり世に出さない方がいいかなって思ってたんだった。

 まーでももうケミ村で大勢の前で使っちゃったしなぁ。

 今更か。

 でも一応。


「あんまり公にして他国に技術が流れて、それで量産されたりしたら嫌だなって思ってるんだよね」


「利益ではなく?」


「カホクの言う通り、利益ではなくて国防的に。みんなのことは信用してるけど、どこから漏れるかわからないからね」


「私は鈴のお師匠様にも会ってみたいなー」


「お姫様連れてったら師匠椅子から転げ落ちちゃうかも」


 前例もあるし。

 まぁ、芽結のことは少しだけ話してあるけどね。


 その後も、最終確認が終わった僕たちは、会話に花を咲かせたのだった。

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