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異世界魔法、観察してみたら  作者: 猫チュー
第二章 学園編
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第72話 予定と本音

 そろそろ夏休みだ。

 貴族の家の子たちとは言え、友と遊びに行くこともあるらしい。

 というわけで、僕たちは夏休みの予定を立てていた。

 いつものメンバーで。

 ……なんか男友達がなかなかできないんだよね。

 馬鹿を言い合える友達欲しい。


「それで、どこに向かうかなんだけど――レイ、聞いてる?」


「なんか、僕必要なのかな?」


「何言ってんの?必要でしょ?」


 シノカはそう言いますけどね。


「そもそも、女の子八人の中で一人だけ男が入り込むのってどうなの?」


「今更じゃない?」


 芽結が小首をかしげて言う。かわいい。


「気にしているの、レイさんだけですわよ」


 クイザもそう言ってくれるけどさぁ。


「そう気にする必要はない。貴殿の人となりはもうわかっている」


 時代がかった言い方をするのは高身長の女性――アルソだ。

 燃えるような見事な赤髪をポニーテールにしている。

 少し肩幅があり、手足も長い。

 すごく男装が似合いそうな感じがする。

 あ、袴とかも捨てがたいな。


「わかってはいるが、何やらくだらないことを考えているな?」


 ぎくっ。

 なぜバレたし。

 彼女はいつも芽結と一緒にいるメンバーの一人だ。

 ローンとアルソ、それともう一人。


「レイが見ているのはメイ様だけだ。ボクたちになど最初から興味はない」


 ズバズバと言いにくいことを言うのは青髪の三つ編み眼鏡のレッタ。

 最後のもう一人だ。

 彼女は見た通り成績が良い。

 勉強で困ったら頼るのも手かもしれない。


「やる気があるならな」


 芽結といい、アルソにレッタも当たり前のように心の中をのぞくのやめて欲しい。


「キミが分かりやすすぎるだけだ」


 そんなに顔に出てるかなぁ?


「私にはわかりません」


 カホクらしいっちゃらしい。

 興味もないんだろうし。


「わたくしはわかりませんねー」


 お供でわからないの、ローンだけだよ。


「そんなことございませんわー」


 わかってんじゃねーか!


「あ、あの。話を進めませんか?」


「サクラの言う通りだ。無駄な時間だった」


 レッタさん辛辣ぅ!


 さて、行く場所の候補はチルい時間が過ごせる場所との条件がつけられた。

 まぁね。王都にいるとそうなるよね。


「海!」


 元気よく最初の意見を出したのはシノカだ。

 海風に撫でられながら海をぼんやり眺めるのもなかなかチルく過ごせるよね。

 海に行くとなると商業国かな?


「山」


 短く意見を言ったのはカホクだ。

 森林浴もいいよね。

 音や景色にも癒されるし。

 ――けど、


「山に行くなら他国の山がいいかな。国内にもいくつも山はあるけど、ここより東側の山はガガダの縄張りだ。僕は少し前にガガダ山賊団に遭遇したし、今は避けた方がいい気がする」


「でも、東側以外の山なら問題ないのではなくって?」


「たしかにクイザの言う通りだけど、勢力を広めてる可能性もなくはないのかなーって思って。彼らは完全に国とか軍をナメてたから」


 メリアが手を出さなかったから、図に乗ってるかもしれないし。

 僕やあの場にいた人を危険にさらさないためにとったメリアの判断に感謝してるから、こんなことは言いたくないんだけどさ。


「海なら商業国、山なら小国群か」


「はい」


 アルソの言葉をカホクが肯定する。


「では、多数決を採りましょう」 


 芽結がまとめに入る。

 ナウォックへ行くことになった。


「あ、あのー……」


 控えめにサクラが声を上げる。


「山ではなく林ですが、ブイニシャに丸太組の別荘があります」


 ブイニシャは林業の国だ。

 質のいい木材が採れるらしい。

 しかし丸太組(ログハウス)かぁ。いいねぇ。


「ログハウス、いいじゃないですか」


 芽結も乗り気だ。

 結局、サクラの家の別荘にお邪魔することに決まった。


 最初は女子八人の中に入るのはどうなの?って思って遠慮してたけど、予定が決まれば楽しみだなー。

 でも、男友達は切実に欲しい。

 でもなー。

 男子の方が貴族としての矜持が強そうなんだよなー。

 ちゃんとクラスに馴染める日が来るんだろうか?

 そんなことを考えて少しだけ憂鬱になる僕だった。

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