第一章幕間四 走れミリア
「お呼び立てして申し訳ありませんね。ミリア」
「いえ」
この方は宰相のツキーズ閣下だ。
「この親書を各国に渡してきてほしいのです」
「私をお呼びということは、火急ということですね」
「ええ。特に最初の6か所は時間との勝負です」
親書を受け取ると、裏を見る。
向かう国が書かれているのでその確認だ。
そこにはこの大陸内のすべての国名がかかれていた。
私は親書をポーチにしまいながら、大事らしいことを聞く。
「順番を聞いていませんが」
「ああ、そうでした。まずはナウォックの五国に。その後はラーンクに。その次はジェール帝国がいいでしょう」
帝国の後はどこからでもいいらしい。
とはいえ、帝国の位置を考えたらルートは決まったようなものだけども。
「それと、渡すだけでなく、返事等があるかもしれないので、そのあたりも臨機応変に対応してください」
「畏まりました。では、さっそく向かいます」
急いで出て行こうとする私の背中に待ったがかかった。
「路銀を忘れていますよ」
そう言って路銀の袋を渡された。
私は赤面した。
「国内一の伝令は優秀だけど時々抜けている時があるんですよねぇ」
言わないでください。閣下。
「そなたの妹君とは、性格といい、抜けているところといい、正反対で面白いですねぇ」
面白がらないでください。閣下。
「では、今度こそ行ってまいります」
そう告げて閣下の執務室を退室した。
さて、ナウォックの後にラーンクに行くことを考えると、ニロパップ、パネロミア、リールトリーヴ、オデロプ、ブイニシャの順がいいか。
街道に出た私は、速度を上げた。
「ふむ。なるほど理解しました。使者殿には返事の親書を持って行っていただきたいのですが、構いませんか?」
「畏まりました」
「では、書き上げますので、少々お待ちください」
「はい」
ニロパップ、パネロミア、リールトリーヴ、オデロプでも同じやり取りをした。
「ではこちらをお願いいたします」
「確かに」
次はラーンクだ。
「くっ!やはり来たか」
ラーンク王は随分やつれたようだ。
まぁ、無理もない。
「返書をしたためる。しばし待て」
「はい」
私は直立不動で待つ。
「くそっ!くそっ!」
ラーンク王の様子を見る感じ、配下が勝手に暴走したというのも本当のことに見える。
まあ、うちの陛下であればそんな戦犯のような貴族がいても、そうそう暴走はさせないと思うけど。
「これを持っていけ!」
「はい、確かに」
「用は済んだろう。出て言ってくれ……」
ラーンク王は机に突っ伏す。
お付きの貴族が苦笑しながらこちらに会釈をする。
「では、失礼いたします」
私も会釈を返しながら退出。次の国に向かう。
いやあ、ラーンク王は苦労してるなぁ。
他国のことなので私は暢気にそんなことを思いながら加速した。
一章幕間四で10万文字に到達しました。
あとがきの文字数も含まれているので、実際は次の話で達成だとは思いますが、割とあっという間だったなーという印象です。
最近は特に、「売れたい」とかそういう気持ちはあんまりなく、自分がこの作品を作ることを楽しんでいるのが一番大きいのかなーなんて思ったり。
さて、長くなってしまった幕間もそろそろ終わりで二章に入ります。
今後もお付き合いいただけると幸いです。
あ、それと、最近知った新事実。この作品はハイファンタジーではなくてハードファンタジーというジャンルらしいです。
マジかよ兄弟……。
※追記:2026/4/15 20:49
ヒロパップ、パネロミアでも同じやり取りをした。
を
ニロパップ、パネロミア、リールトリーヴ、オデロプでも同じやり取りをした。
に修正しました。
ラーンク王の様子を見る感じ、配下が勝手に暴走した結果に見える。
を
ラーンク王の様子を見る感じ、配下が勝手に暴走したというのも本当のことに見える。
に修正しました。
まえがき、あとがきの書く場所が間違っていたのを修正しました。




